2021年9月4日土曜日

ユニバーサルカウンター SC-7203型 10MHz TCXO から OCXO に改造

 

IWATSU SC-7203型 10MHz OCXO に改造

上記画像は岩崎通信㈱ IWATSU ユニバーサルカウンターを基準信号発生器 10MHz TCXO搭載品を 改造し筐体内に OCXOを追加取り付けしました。精度は向上し測定誤差も少なく快適なユニバーサルカウンターと変貌しました。

上記画像はオークションなどでよく見る数字と思いますがセルフチェックの画像ではありません。GPS衛星からの正確な10MHz信号測定結果の表示です。10.の後 0 が7桁あります。

GPS衛星を活用した GPSレシーバー NEO-6M 使用した 10MHz 基準信号発生器工作については次項目に記載しています。この項目が不必要であれば次項目へジャンプしてください。

次項目で工作した校正基準器(Calibration Standard)を使って校正しました。通電後10分もすればGPSからの10MHzとの周波数差は 0.1Hz 以内までの誤差で動作するユニバーサルカウンターです。カタログなどでは性能表記数値で ppm (Parts Per Million) で表記されていると思います。これは割合の表記方法で 100万分の1 を表します。10MHzとは一秒間に1000万回振動していることです。10MHzに対して 1ppm の表記では変動周波数は10Hzです。安定時の変動が 0.1Hz とした場合割合表記では 0.01ppm と表せます。 又、ppm が判明している場合は逆算すれば変動数を導き出すことができます。上記の測定方法では 10秒間の振動数をカウントしており表示桁数は0.1Hzの桁まで表示しています。デジタル表示は 10.0000000 6 と表示されています。10. の後 0 が7桁あり最後の 6 の表示は エクスポーネント(EXPONENT)指数を表します。指数数字では 10×10の6乗 です。数値を直読すれば 10.00......MHzと読めます。

TCXO搭載品ではこのような数値表記は一時的には可能と思いますが 長時間同じ数値表示できません。OCXOの威力が判明する証拠である数値です。完成後連続数10時間エージングをしましたが 最下位数値変動は 0,又は1 の表記しかしませんでした。周波数で表せば0.1Hzの変動です。改造前の状態ではTCXO搭載品ですので性能表記として 数ppm と思います。

所有している SC-7203型ユニバーサルカウンターは TCXO 温度補償型水晶発振器(Temperature Controlled X'tall Oscillator) から OCXO 恒温槽付水晶発振器(Oven Controlled X'tall  Oscillator) を追加搭載しました。初期よりの搭載品 TCXOは本体内に残したうえ 新規 OCXO を筐体内に取り付け 極力外観は改造したくないため 基準信号10MHz切り替えスィッチで動作する構造としました。いつでも元の機能 TCXO に切り替えはできます。又BNCコネクター外部信号入力にも対応しています。

NDK製 TCXO TC314A 10MHz
SC-7302型に初期から搭載されている 10MHz TCXOです。入手できた国産 OCXO は同じ製造メーカー製を使いました。 右の画像は NDK製のTCXOです。この機種は約25年ほど前に製造された ユニバーサルカウンターで中古品です。

 OCXO は新古品、未使用品を入手です。 OCXOは NDK 日本電波工業㈱製で製造ロットから判明した事項として 2011年8月製造品 品番 ATA3082A DC:12Vで動作し出力波形は校正基準器に搭載した OCXO OSCILLQURTZ 3661-A 正弦波出力ではなく矩形波(パルス)出力です。

入手後 NDK 日本電波工業㈱のホームページへアクセスしましたが この品番の OCXO 仕様書は入手できませんでした。10年ほど前に製造された OCXOであり詳細不明のまま工作します。年間変動率が **ppm or ppb ? は不明の状態です。

OCXO NDK ATA3082A DC:12V

上図は電源基板とOCXO発振器基板です。いつもの通り実験的な工作となるので 汎用蛇の目基板に配線しました。SC-7203型ユニバーサルカウンター筐体内部に搭載するため内部構造から空いたスペースに搭載するため 一枚基板では設計できませんでした。

OCXO の外観寸法  D:40 ,W: 40, H: 24.5,  ピン配置 グランドピン基準 ① GND,  ② REF, ③ OUT PUT, ④+VCC, (①ピンを基準に底面時計回り)

この OCXO ATA3082A はピン数4本足であり V-REF 端子・周波数微調整のための定電圧電源出力端子はありません。OSCILLQURTZ 3661-A は5本足で V-REF .REF,  端子があります。

左基板

電源回路基板 交流12V巻線から SBD ブリッジ整流ダイオードで整流後 DC:16V程度出力されます。その後3端子レギュレーターIC 7812(1A) で安定した12V を OCXOユニットに供給します。念のためICには放熱板を取り付けます。左中央に青色の抵抗があります。10Ω 1/2W 金属皮膜抵抗器で誤差は1%です。回路電流測定用として取り付けたのですが問題が発生しました。回答は後程。その奥はショットキーバリアダイード(SBD)ブリッジ整流器で 40V/2A 規格品です。

右基板

OCXOユニット搭載基板であり ユニットからの矩形波をバッファICを通過後 ユニバーサルカウンター外部10MHz 新設した入力端子切り替えスイッチに接続します。バッファICは SN74HCU04N を採用しました。動作電圧は DC:5V です。そのため電源基板から供給された DC:12V から5Vに変換する3端子レギュレーターIC 7805(1A) で降圧します。消費電流が50mA未満であるため放熱板は取り付けていません。使用した OCXO のスペックが不明のため OCXO から直接出力するには不安があったため あえて SN74HCU04N を緩衝段として採用しました。

OCXO基板での消費電力

OCXOニット ユニット単体では DC:12V 起動時 200mA 安定時 80mA   論理ICは SN74HCU04N 約40mA  ほかには 7805での動作電流として 4mA 程消費するため 電源投入時は OCXO内の加熱ヒーター電力も含まれるため 総電流は 250mA ほど流れます。安定時は120mA程度に落ち着きます。

起動時の消費電力 電源投入直後 約3W  安定時 約1.44W

SC-7203型機本体内に新規 OCXO 搭載

上図は新規工作したOCXO基板をユニバーサルカウンター本体内に取り付けました。たぶんこの本体内はオプションなどを搭載するための空きスペースが筐体後部にありました。一番問題となったのは増設したOCXOの動作電源を最初は外部から給電予定でしたが本体基板にDC:12V がないかを確認しましたが この機種は3電源で動作しています。岩通のホームページ等を確認しましたが配線図面及び取扱説明書は入手できませんでした。
後部端子群BNC端子は画像中央下部が外部10MHz入力端子です。2個あるBNC端子間にあるスライドスィッチが内蔵10MHzと外部10MHz入力切り替えスイッチであり 現在外部入力としてあります。左端のスイッチはBNC外部入力または内蔵OCXOからの信号を切り替えるための増設したスィッチです。元は本体接地端子を除去して取り付けました。新規スィッチとスライドスィッチとも左側に移動すれば 改造前と同じ本体内蔵TCXOで動作します。今後この操作は発生しないと思います。

OCXOの構造はシールドされた本体下部に4本リード線が取り出されています。
① GND,接地端子  ② REF,周波数調整直流電圧入力端子 ③ OUT PUT,10MHz出力端子 ④+VCC,電源入力端子+12V/DC
採用したOCXO は通電時発振器内にある加熱装置への突入電流があり約200mA程度短時間ですが電流が流れます。OCXO内の温度が安定すれば消費電流は 約80mA程度に落ち着きます。本体内部の季節による温度変化もありますが 約10分以上経過すれば発振周波数も安定し消費電流もほとんど変化しません。

V , 2V/DIV    H , 0.2μsec/DIV×10(MAG) 10MHz
左図はOCXO出力端子から バッフア(緩衝)用途 IC SN74HCU04N インバーター(NOT,反転論理) 集積回路IC 論理回路数6組です。以前工作したGPSレシーバー出力回路と同等です。 1段目から次段3パラレル・インバーター接続出力として取り出した 10MHz の矩形波 4.4Vp-p の波形です。この信号がSC-7203 の外部10MHz入力端子に接続します。
観測波形の解説ですが プローブは1対10の入力抵抗値は10MΩです。水平線の中央破線部のレベルはグランドレベルであり プローブのカップリングはDC(直流・ダイレクトモード)です。ACカップリングの交流波形観測では水平破線から対照的な波形観測となります。水平の中央ラインを基準として波形の出力電圧が直読できます。IC SN74HCU04N 動作電圧が DC:5V ですのでほぼフルスイングされた波形といえます。

今回改造するまでは工作した校正基準器の OCXO 出力をユニバーサルカウンター外部10MHz 入力端子に接続して使用していました。測定するときはこの本体と校正基準を同時に通電しなければ使うことができませんでした。

SC-7203 内部構造を調べてみますと DC:+5V,DC:-5V,DC:+5V の3電源仕様であり DC:+12Vは搭載されていません。電源トランスの2次巻線は4組あります。回路計でPTからの各引き出しリード線交流電圧を測定するとAC:5Vが3組と AC:12V (白色)が存在しました。本体基板を詳しく確認の結果 AC:12V ラインは基板ではどの回路にも接続しておらず 開放状態であるのが判明しました。ここでひらめいたのは遊休巻線 AC:12Vラインがうまく使えないか ? 正解でした。遊休巻線の許容電流は不明ですが OCXO基板を搭載して実験です。
電源基板及びOCXO基板は 机上での定電圧電源を使った動作確認をしてあります。当初外部電源を供給することで工作していましたが とりあえず遊休巻線と電源基板を接続して動作確認すると正常に動きます。儲けものです。しかし問題もありました。それはブリッジ整流後10Ωの電流値測定用精密抵抗を回路に直列に挿入した結果 ピーク電流は250mAであり 最大抵抗器で 2.5Vの電圧降下が発生し +12Vが確保できない場合が発生しました。電流測定用抵抗を1Ωとして変更の結果、瞬間的な電圧降下はなくなり正常に動作しました。
通電時だけであり通常の測定するときであれば消費電流は 120mA以下となりOCXO回路での消費電力は 1.44Wとなります。長時間通電テストもしましたが 電源トランスは元々温度は高く以前の状態と比較しましたがあまり温度変化として感じなかったため このまま使用することにしました。電源トランス・放熱板などは連続して触れ続けることができる場合 60℃前後と思いますので一安心です。触れ続けるのが困難な場合は放熱対策をしなければ故障要因ともなります。

5V電源IC ,OCXOとバッファIC SN74HCU04N 

上図は OCXO基板のバッファIC SN74HCU04N インバーター(NOT)回路です。今回数種類のICに変更して出力される信号波形の違いを実験しました。NAND IC 74HC00 でも動作違いを確認しましたが アンバッファのNOT SN74HCU04Nが波形崩れが発生しないため採用しました。そのためにICソケット仕様としてあります。少しの配線変更で各種のICが搭載でき最良のIC選択となりました。

最終調整 10MHz GPS信号と工作したOCXOの校正作業です。

OCXOにはREF端子として発振周波数微調整端子があります。通常安定した定電圧電源からの基準電圧を可変抵抗器で分圧した電圧をREF端子に加えることにより 発振周波数を微調整することができます。REF端子に何も接続しない場合OCXO単体での動作では10Hz前後違っていると思います。使用したOCXOではREF端子に 2.368V加えることにより発振周波数は丁度 10MHzとなりました。小数点以下一桁までの精度です。表示された周波数は 10000000.0Hzです。
精密調整用半固定VRは多回転トリマーVR使用しました。今回採用したOCXOの仕様書は入手できません。校正基準器にも オシロクオーツ社製 3661-Aを搭載しています。その仕様書によると半固定可変抵抗器は20KΩ以上を使用すると明記されていたため それと同様に 20KΩとし DC:12Vの電圧を分圧可変してREF端子に加える構造としました。GPSの10MHzと同じ周波数での電圧は2.368Vです。本体底に丸穴を開口し 調整用マイナスドライバーで調整可能としてあります。 0.1Hz単位の調整となるため通常の半固定抵抗器では 調製角度が微妙となり微調整が困難と思います。多回転半固定VRを使用することをお勧めします。
上図中央左に多回転半固定VRの頭が確認できます。OCXO基板は垂直状態として取り付けたため ちょうど調整用VRの回転軸が底板に向いて取り付けとなります。そのため底板に5φのドリルで開口しました。


完成した SC7203 ユニバーサルカウンター GPS信号との校正作業

上図は以前工作した 10MHz 校正基準器(Calibration Standard)との校正作業です。冒頭に掲載した画像と同じものです。屋外にブースター内蔵、外付けGPSアンテナを窓の外に設置しての測定です。今回 RS232C 端子とUSB変換器をPCに接続しておりませんので GPS衛星に3個以上のロック状態のモニターはできていません。以前の経験から3分も自然放置しておればGPSレシーバーはロックがかかり正確な 10MHz がBNC端子より出力されます。
工作した 10MHz 校正基準器には GPS ユニットを目視できる窓が取り付けてあります。窓越しに確認できるのは GPSユニット内の青色チップ型LEDの点灯状態です。薄暗いですが点灯すれば GPS衛星にロックされている証拠です。アンロック時は青色LEDは点灯しません。出力状況が把握できますのでPCと接続しなくても校正基準器の動作確認はできます。

まとめ

当初 SC-7203 では通常使用の場合でも基準周波数 10MHz ,周波数ドリフトは発生しています。工作した校正基準器で校正の結果 安定した時でも数Hz~10Hz程度のの周波数変動が発生していました。それ以外に立ち上げ時から安定時になるまでの周波数変動は結構発生していました。TCXO発振周波数調整は本体上部カバーを外してTCXO内にある周波数調整用トリマーコンデンサーを調整するのですが調整後上蓋を取り付けると数Hzの周波数変動が発生してうまくジャストに調整できません。又使用中本体内部の温度変化に伴い数Hz以上の変動も確認できました。一桁台 数Hz単位の調整でもふらついて数字が安定しません。
その後工作した校正基準器に内蔵しているOCXO信号を SC-7203型 外部10MHz BNC端子に接続してこの数年間運用していました。ただ難点は外部10MHzの付属機器があるため測定作業には手間取っていました。そこで本体内部にOCXOを搭載しようと思い立ったわけです。
OCXOに変更してからは段違いの安定度です。長時間通電しても周波数変動は0.1Hz以内で動作しますので安心して周波数測定ができるようになりました。ありがたいことです。

追記 もしも所有している周波数カウンターに外部基準信号入力端子付きの機器をお持ちの場合測定精度を上げませんか。


上図はオークションサイトで見つけ出した小型の OCXO です。左基板は DC:5V 安定化電源基板でジャンク品のACアダプターから安定した DC:5V を供給します。右基板は米国製 Isotemp OCXO 143 Series OCXO 143-141 型(外形 W25.78 D25.78 H14.99 PIN 5.08)製造年月 1126 (2011年26週製造) で 中古品でしたが送料別1300円で入手したものです。規格として 10MHz CMOS (方形波出力) DC:5.0V入力 消費電流 MAX 500mA~140mA 程度で動作します。発振素子内のヒーターが動作し短時間ですが最大500mA程度消費しますが オーブン内温度が安定すれば 150mAほどに安定します。安定するまでは約5分です。


OCXO周辺回路として REFERENCE VOLTAGE 端子に約2.2V程度を印可することにより発振周波数を微調整することができます。次項目で説明している自作 GPS 10MHz 基準信号発生装置に使用したスイス製OCXOでは発信ユニットには REFERENCE VOLTAGE 端子が設けられており 安定したDC電圧出力端子が存在しこの電圧からVRで発振周波数微調整します。しかし今回使用した OCXO では定電圧出力端子は存在しません、そのため発振周波数調整回路のDC電源は新たに回路設計します。この OCXO は DC:5V で動作するため 3.3V 3端子レギュレーターICを使用して基準安定化電源回路を作成します。この安定した DC:3.3V から10KΩ多回転半固定VRの中点から OCXO のREFERENCE VOLTAGE 端子に接続し発振周波数の微調整をします。今回も上記と同じように出力バッファ回路として IC 74HCU04N を使用してから10MHz出力回路とします。


上記回路を動作するための電源用に用いたジャンク品のACアダプターです。左側はDC:5V 1A容量スイッチング電源ACアダプターです。これを使用する場合 DC:5V 電源安定化基板は使用する必要はありません。右側は電源トランス内蔵ジャンクACアダプターで規格は DC:6V 500mA と記載されています。回路全体では電源投入時  DC:5.0V 570mA 消費しますのでトランス式ACアダプターを使用する場合電源電流値を適切に選択する必要があります。5分もすればOCXOは安定動作となるため消費電流は200mA弱に落ち着きます。使用したACアダプターでは無負荷出力電圧は DC:8.8V であり3端子レギュレーターIC 7805-1A には放熱板を取り付けます。

今回作成した 10Mz 基準信号発生装置は小型になりました。精密測定の結果 通電後5分もすれば 10.000000MHz ±0.05Hz 以内の信号が出力されます。周波数カウンター・ユニバーサルカウンターの精度は非常によくなります。外部基準信号入力端子がある機器の測定精度向上されることをお勧めします。
同じような形状のOCXOでは今回使用したメーカーは米国製 ISOTEMP でしたか中国製 OCXO CTI製も安価に入手することができます。
複数台のOCXOを実験使用しましたが 周波数微調整端子電圧は DC:2.2V 前後で発振出力周波数はジャスト周波数となります。参考まで ! ! !   (2024/04/25追加)

無銭庵仙人の独り言


上図は工作した 校正基準器内部に搭載した OCXO部 10MHz と GPS信号から得た 10MHz信号との校正作業です。改造した下段のユニバーサルカウンターは入力端子として BNCコネクター端子 A , B , C ,各端子があります。
A  ,端子は 150MHzまでの測定端子であり B , 端子は15MHzまでの測定端子です。 C ,端子はプリスケーラが搭載されていますので 分周器により50MHz~1.3GHz(1300MHz)まで測定可能な機種です。
工作した校正基準器の校正作業として上記測定は A端子に GPSからの10MHz信号を接続、B端子はOCXOからの10MHz信号を接続します。測定モードは単独の周波数測定モードとは異なり 入力端子 A-B モードで両端子に接続された信号を引き算するモードです。同じ10MHz信号が比較・引き算されて誤差分がデジタル表示される仕組みです。今の状態はGPS信号とOCXO信号との誤差が 0.0Hz ですので同じ周波数であるとなります。再校正完了です。

ユニバーサルカウンター校正作業前の動作確認を兼ねた 校正基準器の校正です。上記接続で校正前の数値として +0.2Hz が観測されました。以前校正してから数年経ちますが OCXOの周波数はほとんど狂っていません。この校正基準器を SC-7203 の外部クロックとして今日まで運用していましたので 以前の測定結果は精度が出ていたと判断できます。標準信号と同等である精度の良いGPSからの10MHz信号は外部アンテナを使わなければ常時運用できません。道楽作業部屋での運用は内蔵 OCXOからの10MHz信号を使って SC-7203 は使用していました。市販品 GPSDO などでは GPS信号 と OCXO信号 を位相比較し周波数制御して常時安定した10MHz出力されるような回路で動作しています。GPS信号 が無い場合では OCXO信号 のみ出力する構造と思います。
工作した校正基準器は簡単な構造で GPS,OCXO 単独で動作する構造としました。OCXO 単体でも安定すれば周波数変動は ±0.1Hz 以内の精度で動作しますので周波数ロック機能の必要性は感じませんでした。

周波数測定器として ユニバーサルカウンター・周波数カウンターを使用している方でも 外部標準信号 10MHz 入力端子が取り付けられている機種の場合 GPSレシーバー・OCXOなど外部接続の機器を工作すれば測定精度は向上します。又完成品 GPSDO 搭載の機器も販売されています。オーディオ用途となりますが 10MHz マスタークロック・ジェネレーターでもよいと思います。内部には OCXO が組み込まれている機種も市場には数多くあります。しかし小生は購入するための財力は乏しいため 今回改造工作となったわけです。

参考までに SC-7203 OCXO 通電時からの発振周波数偏移 室温26.5℃ 基準10MHz GPS衛星にロック信号

通電直後 10秒ほどはセルフチェック時間 OCXO 搭載時
10秒 +198Hz   1分 +63Hz  2分 +2Hz  3分 +0.1Hz  4分 ±0.0Hz 5分 ±0.0Hz  となり 5分以上経過すれば事実上誤差は発生しません。TCXOに比較して格段の性能向上です。初期周波数変動幅は 約200Hz ですが 安定時 ±0.1Hz 以内で安心感が得られました。

内蔵 TCXO 使用時では
通電後10秒 +4Hz  1分 +4Hz  2分 +5Hz   3分 +6Hz  4分 +6Hz  5分 +7Hz  10分 +10Hz   30分 +13Hz  60分 +13Hz   周波数変動幅は 約9Hz
筐体内温度上昇に伴い周波数はずれていきます。多少調整不足ですが 13Hz±1.0Hzほどで安定しました。

異機種 XO水晶振動子搭載している TR-5142 では
通電直後 +35Hz  1分 +29Hz  2分 +27Hz  3分 +25Hz  4分 +23Hz  5分 +20Hz  10分 +10Hz  60分 -1Hz  周波数変動幅は 約35Hz 安定時±2.0Hz 以内に収まります。

上記のような通電後の周波数変動です。OCXOは3分までの変動率は大きいですが 安定動作となれば桁違いの実力です。カップ麺出来上がる時間までの測定は避けなければなりませんね。
以上の測定監察結果から通電後30分までプリヒートタイムとすると OCXO では ±0.1Hz以内  TCXO では調整が必要と思われるが 基準値より 13Hz ほどずれているが ±1.0Hz の安定度でした。TR-5142 では基準値から ±2.0Hz 以内に収まります。
上記観測結果から判明しますが 水晶振動子の基準信号でも発振器周辺温度管理及び回路設計で優れた性能が確認できました。たとえTCXOであっても温度管理が不十分な場合温度補償型水晶発振器であっても性能が出ないこともあります。又周波数の微調整において調整用トリマーコンデンサーはクリチカルな動作をしており 周囲温度及び筐体内温度変化により性能を発揮・維持するには結構調整作業の難易度は高いと思います。OCXOに改造の結果 自己満足の自己校正作業内容報告でした。

今回採用した新古品 NDK製 OCXO ATA3082-Aは安立製測定器のリファレンス基板に搭載されている OCXO と同じものです。以前購入願望であったアドバンテスト製ユニバーサルカウンター TR5823H(10MHz OCXO搭載) でしたが価格的に折り合わず市場には TR5823(10MHz TCXO搭載) はよく見かけますが TR5823H はほとんど見かけません。その後 Iwatsu SC-7203 を購入となりました。この機種がポケットマネーで OCXOを搭載となりましたのでほぼ TR5823Hと同等性能となりました。TR5823 はTCXO搭載機種であり性能は SC-7203 と同性能でしたが 今回の改造によりパーションアップです。

おかげさまで道楽作業で使用している骨董品、いやガラクタである ユニバーサルカウンター及び周波数カウンターの校正作業も完了し誤差も把握できました。今後安心して道楽における測定作業、および 改修・工作作業ができます。

自己校正とは自己満足の道楽作業です。

各種 GPSレシーバー実験用途として工作 u- blox社 NEO-6M-0-001(GPSユニット)

上記画像は工作した 10MHz 校正基準器に搭載している同等のユニットです。周辺回路を模索し実用化となるまで試行錯誤した実験基板です。現在でも DC:5V電源と外付けアンテナを接続すれば正常に動作します。購入当時付属していたGPSアンテナでは道楽部屋での運用は感度不足で使用できません。

愚痴です

以前から所有している タケダ理研製周波数カウンターは製造後40年近くなると思います。型番は TR-5142 80MHz です。現アドバンテスト製です。この機種のキャリブレーション作業は上蓋を外せば簡単に調整できます。内部の熱源から離れた場所に設置してあり10MHz 水晶振動子 HC-49U が使われていますが 実際に運用している状態に似通った状態での校正・調整は簡単にできます。安定動作時では TCXO搭載されている SC-7302 よりは周波数変動は少なく安定しているように感じました。SC-7302 では上部キャビネットを外さなければ調整はできません。TCXO は温度変化の大きい電源制御回路ICが取り付けた放熱板付近にあります。これらの配置が周波数変動の原因とも考察できます。調整中とキャビネットを元に戻した場合 周波数変動を確認しました。筐体内で大きく温度変化が発生する付近にTCXO温度補償型水晶発振器取り付けですが 安定度には ? 疑問があります。特に温度変化で発振周波数が変動する発振回路では 常用状態でどれだけの精度が得られるか ?  製造コストも重要ですが特に精密測定する場合 校正・調整方法・内部構造などにも 製造メーカーは考慮してもらいたいと思います。SC-7302 での多く発熱のある個所は電源回路であり 電源トランスと電源部レギュレーター IC が取り付けられている放熱板です。

工作した校正基準器に内蔵している OCXO 周波数調整は本体側面にあり 通常M4のビスでメクラしてあります。調整時キャビネットを分解せずにビスを外して周波数調整できる構造としてあります。

上記記載事項は自己満足による改修作業内容の記述です。参考程度の記述とご理解ください。頭の体操および暇つぶし策ができました。



by musenan sennin