2021年9月4日土曜日

ユニバーサルカウンター SC-7203型 10MHz TCXO から OCXO に改造

 

IWATSU SC-7203型 10MHz OCXO に改造

上記画像は岩崎通信㈱ IWATSU ユニバーサルカウンターを基準信号発生器 10MHz TCXO搭載品を 改造し筐体内に OCXOを追加取り付けしました。精度は向上し測定誤差も少なく快適なユニバーサルカウンターと変貌しました。

上記画像はオークションなどでよく見る数字と思いますがセルフチェックの画像ではありません。GPS衛星からの正確な10MHz信号測定結果の表示です。10.の後 0 が7桁あります。

GPS衛星を活用した GPSレシーバー NEO-6M 使用した 10MHz 基準信号発生器工作については次項目に記載しています。この項目が不必要であれば次項目へジャンプしてください。

次項目で工作した校正基準器(Calibration Standard)を使って校正しました。通電後10分もすればGPSからの10MHzとの周波数差は 0.1Hz 以内までの誤差で動作するユニバーサルカウンターです。カタログなどでは性能表記数値で ppm (Parts Per Million) で表記されていると思います。これは割合の表記方法で 100万分の1 を表します。10MHzとは一秒間に1000万回振動していることです。10MHzに対して 1ppm の表記では変動周波数は10Hzです。安定時の変動が 0.1Hz とした場合割合表記では 0.01ppm と表せます。 又、ppm が判明している場合は逆算すれば変動数を導き出すことができます。上記の測定方法では 10秒間の振動数をカウントしており表示桁数は0.1Hzの桁まで表示しています。デジタル表示は 10.0000000 6 と表示されています。10. の後 0 が7桁あり最後の 6 の表示は エクスポーネント(EXPONENT)指数を表します。指数数字では 10×10の6乗 です。数値を直読すれば 10.00......MHzと読めます。

TCXO搭載品ではこのような数値表記は一時的には可能と思いますが 長時間同じ数値表示できません。OCXOの威力が判明する証拠である数値です。完成後連続数10時間エージングをしましたが 最下位数値変動は 0,又は1 の表記しかしませんでした。周波数で表せば0.1Hzの変動です。改造前の状態ではTCXO搭載品ですので性能表記として 数ppm と思います。

所有している SC-7203型ユニバーサルカウンターは TCXO 温度補償型水晶発振器(Temperature Controlled X'tall Oscillator) から OCXO 恒温槽付水晶発振器(Oven Controlled X'tall  Oscillator) を追加搭載しました。初期よりの搭載品 TCXOは本体内に残したうえ 新規 OCXO を筐体内に取り付け 極力外観は改造したくないため 基準信号10MHz切り替えスィッチで動作する構造としました。いつでも元の機能 TCXO に切り替えはできます。又BNCコネクター外部信号入力にも対応しています。

NDK製 TCXO TC314A 10MHz
SC-7302型に初期から搭載されている 10MHz TCXOです。入手できた国産 OCXO は同じ製造メーカー製を使いました。 右の画像は NDK製のTCXOです。この機種は約25年ほど前に製造された ユニバーサルカウンターで中古品です。

 OCXO は新古品、未使用品を入手です。 OCXOは NDK 日本電波工業㈱製で製造ロットから判明した事項として 2011年8月製造品 品番 ATA3082A DC:12Vで動作し出力波形は校正基準器に搭載した OCXO OSCILLQURTZ 3661-A 正弦波出力ではなく矩形波(パルス)出力です。

入手後 NDK 日本電波工業㈱のホームページへアクセスしましたが この品番の OCXO 仕様書は入手できませんでした。10年ほど前に製造された OCXOであり詳細不明のまま工作します。年間変動率が **ppm or ppb ? は不明の状態です。

OCXO NDK ATA3082A DC:12V

上図は電源基板とOCXO発振器基板です。いつもの通り実験的な工作となるので 汎用蛇の目基板に配線しました。SC-7203型ユニバーサルカウンター筐体内部に搭載するため内部構造から空いたスペースに搭載するため 一枚基板では設計できませんでした。

OCXO の外観寸法  D:40 ,W: 40, H: 24.5,  ピン配置 グランドピン基準 ① GND,  ② REF, ③ OUT PUT, ④+VCC, (①ピンを基準に底面時計回り)

この OCXO ATA3082A はピン数4本足であり V-REF 端子・周波数微調整のための定電圧電源出力端子はありません。OSCILLQURTZ 3661-A は5本足で V-REF .REF,  端子があります。

左基板

電源回路基板 交流12V巻線から SBD ブリッジ整流ダイオードで整流後 DC:16V程度出力されます。その後3端子レギュレーターIC 7812(1A) で安定した12V を OCXOユニットに供給します。念のためICには放熱板を取り付けます。左中央に青色の抵抗があります。10Ω 1/2W 金属皮膜抵抗器で誤差は1%です。回路電流測定用として取り付けたのですが問題が発生しました。回答は後程。その奥はショットキーバリアダイード(SBD)ブリッジ整流器で 40V/2A 規格品です。

右基板

OCXOユニット搭載基板であり ユニットからの矩形波をバッファICを通過後 ユニバーサルカウンター外部10MHz 新設した入力端子切り替えスイッチに接続します。バッファICは SN74HCU04N を採用しました。動作電圧は DC:5V です。そのため電源基板から供給された DC:12V から5Vに変換する3端子レギュレーターIC 7805(1A) で降圧します。消費電流が50mA未満であるため放熱板は取り付けていません。使用した OCXO のスペックが不明のため OCXO から直接出力するには不安があったため あえて SN74HCU04N を緩衝段として採用しました。

OCXO基板での消費電力

OCXOニット ユニット単体では DC:12V 起動時 200mA 安定時 80mA   論理ICは SN74HCU04N 約40mA  ほかには 7805での動作電流として 4mA 程消費するため 電源投入時は OCXO内の加熱ヒーター電力も含まれるため 総電流は 250mA ほど流れます。安定時は120mA程度に落ち着きます。

起動時の消費電力 電源投入直後 約3W  安定時 約1.44W

SC-7203型機本体内に新規 OCXO 搭載

上図は新規工作したOCXO基板をユニバーサルカウンター本体内に取り付けました。たぶんこの本体内はオプションなどを搭載するための空きスペースが筐体後部にありました。一番問題となったのは増設したOCXOの動作電源を最初は外部から給電予定でしたが本体基板にDC:12V がないかを確認しましたが この機種は3電源で動作しています。岩通のホームページ等を確認しましたが配線図面及び取扱説明書は入手できませんでした。
後部端子群BNC端子は画像中央下部が外部10MHz入力端子です。2個あるBNC端子間にあるスライドスィッチが内蔵10MHzと外部10MHz入力切り替えスイッチであり 現在外部入力としてあります。左端のスイッチはBNC外部入力または内蔵OCXOからの信号を切り替えるための増設したスィッチです。元は本体接地端子を除去して取り付けました。新規スィッチとスライドスィッチとも左側に移動すれば 改造前と同じ本体内蔵TCXOで動作します。今後この操作は発生しないと思います。

OCXOの構造はシールドされた本体下部に4本リード線が取り出されています。
① GND,接地端子  ② REF,周波数調整直流電圧入力端子 ③ OUT PUT,10MHz出力端子 ④+VCC,電源入力端子+12V/DC
採用したOCXO は通電時発振器内にある加熱装置への突入電流があり約200mA程度短時間ですが電流が流れます。OCXO内の温度が安定すれば消費電流は 約80mA程度に落ち着きます。本体内部の季節による温度変化もありますが 約10分以上経過すれば発振周波数も安定し消費電流もほとんど変化しません。

V , 2V/DIV    H , 0.2μsec/DIV×10(MAG) 10MHz
左図はOCXO出力端子から バッフア(緩衝)用途 IC SN74HCU04N インバーター(NOT,反転論理) 集積回路IC 論理回路数6組です。以前工作したGPSレシーバー出力回路と同等です。 1段目から次段3パラレル・インバーター接続出力として取り出した 10MHz の矩形波 4.4Vp-p の波形です。この信号がSC-7203 の外部10MHz入力端子に接続します。
観測波形の解説ですが プローブは1対10の入力抵抗値は10MΩです。水平線の中央破線部のレベルはグランドレベルであり プローブのカップリングはDC(直流・ダイレクトモード)です。ACカップリングの交流波形観測では水平破線から対照的な波形観測となります。水平の中央ラインを基準として波形の出力電圧が直読できます。IC SN74HCU04N 動作電圧が DC:5V ですのでほぼフルスイングされた波形といえます。

今回改造するまでは工作した校正基準器の OCXO 出力をユニバーサルカウンター外部10MHz 入力端子に接続して使用していました。測定するときはこの本体と校正基準を同時に通電しなければ使うことができませんでした。

SC-7203 内部構造を調べてみますと DC:+5V,DC:-5V,DC:+5V の3電源仕様であり DC:+12Vは搭載されていません。電源トランスの2次巻線は4組あります。回路計でPTからの各引き出しリード線交流電圧を測定するとAC:5Vが3組と AC:12V (白色)が存在しました。本体基板を詳しく確認の結果 AC:12V ラインは基板ではどの回路にも接続しておらず 開放状態であるのが判明しました。ここでひらめいたのは遊休巻線 AC:12Vラインがうまく使えないか ? 正解でした。遊休巻線の許容電流は不明ですが OCXO基板を搭載して実験です。
電源基板及びOCXO基板は 机上での定電圧電源を使った動作確認をしてあります。当初外部電源を供給することで工作していましたが とりあえず遊休巻線と電源基板を接続して動作確認すると正常に動きます。儲けものです。しかし問題もありました。それはブリッジ整流後10Ωの電流値測定用精密抵抗を回路に直列に挿入した結果 ピーク電流は250mAであり 最大抵抗器で 2.5Vの電圧降下が発生し +12Vが確保できない場合が発生しました。電流測定用抵抗を1Ωとして変更の結果、瞬間的な電圧降下はなくなり正常に動作しました。
通電時だけであり通常の測定するときであれば消費電流は 120mA以下となりOCXO回路での消費電力は 1.44Wとなります。長時間通電テストもしましたが 電源トランスは元々温度は高く以前の状態と比較しましたがあまり温度変化として感じなかったため このまま使用することにしました。電源トランス・放熱板などは連続して触れ続けることができる場合 60℃前後と思いますので一安心です。触れ続けるのが困難な場合は放熱対策をしなければ故障要因ともなります。

5V電源IC ,OCXOとバッファIC SN74HCU04N 

上図は OCXO基板のバッファIC SN74HCU04N インバーター(NOT)回路です。今回数種類のICに変更して出力される信号波形の違いを実験しました。NAND IC 74HC00 でも動作違いを確認しましたが アンバッファのNOT SN74HCU04Nが波形崩れが発生しないため採用しました。そのためにICソケット仕様としてあります。少しの配線変更で各種のICが搭載でき最良のIC選択となりました。

最終調整 10MHz GPS信号と工作したOCXOの校正作業です。

OCXOにはREF端子として発振周波数微調整端子があります。通常安定した定電圧電源からの基準電圧を可変抵抗器で分圧した電圧をREF端子に加えることにより 発振周波数を微調整することができます。REF端子に何も接続しない場合OCXO単体での動作では10Hz前後違っていると思います。使用したOCXOではREF端子に 2.368V加えることにより発振周波数は丁度 10MHzとなりました。小数点以下一桁までの精度です。表示された周波数は 10000000.0Hzです。
精密調整用半固定VRは多回転トリマーVR使用しました。今回採用したOCXOの仕様書は入手できません。校正基準器にも オシロクオーツ社製 3661-Aを搭載しています。その仕様書によると半固定可変抵抗器は20KΩ以上を使用すると明記されていたため それと同様に 20KΩとし DC:12Vの電圧を分圧可変してREF端子に加える構造としました。GPSの10MHzと同じ周波数での電圧は2.368Vです。本体底に丸穴を開口し 調整用マイナスドライバーで調整可能としてあります。 0.1Hz単位の調整となるため通常の半固定抵抗器では 調製角度が微妙となり微調整が困難と思います。多回転半固定VRを使用することをお勧めします。
上図中央左に多回転半固定VRの頭が確認できます。OCXO基板は垂直状態として取り付けたため ちょうど調整用VRの回転軸が底板に向いて取り付けとなります。そのため底板に5φのドリルで開口しました。


完成した SC7203 ユニバーサルカウンター GPS信号との校正作業

上図は以前工作した 10MHz 校正基準器(Calibration Standard)との校正作業です。冒頭に掲載した画像と同じものです。屋外にブースター内蔵、外付けGPSアンテナを窓の外に設置しての測定です。今回 RS232C 端子とUSB変換器をPCに接続しておりませんので GPS衛星に3個以上のロック状態のモニターはできていません。以前の経験から3分も自然放置しておればGPSレシーバーはロックがかかり正確な 10MHz がBNC端子より出力されます。
工作した 10MHz 校正基準器には GPS ユニットを目視できる窓が取り付けてあります。窓越しに確認できるのは GPSユニット内の青色チップ型LEDの点灯状態です。薄暗いですが点灯すれば GPS衛星にロックされている証拠です。アンロック時は青色LEDは点灯しません。出力状況が把握できますのでPCと接続しなくても校正基準器の動作確認はできます。

まとめ

当初 SC-7203 では通常使用の場合でも基準周波数 10MHz ,周波数ドリフトは発生しています。工作した校正基準器で校正の結果 安定した時でも数Hz~10Hz程度のの周波数変動が発生していました。それ以外に立ち上げ時から安定時になるまでの周波数変動は結構発生していました。TCXO発振周波数調整は本体上部カバーを外してTCXO内にある周波数調整用トリマーコンデンサーを調整するのですが調整後上蓋を取り付けると数Hzの周波数変動が発生してうまくジャストに調整できません。又使用中本体内部の温度変化に伴い数Hz以上の変動も確認できました。一桁台 数Hz単位の調整でもふらついて数字が安定しません。
その後工作した校正基準器に内蔵しているOCXO信号を SC-7203型 外部10MHz BNC端子に接続してこの数年間運用していました。ただ難点は外部10MHzの付属機器があるため測定作業には手間取っていました。そこで本体内部にOCXOを搭載しようと思い立ったわけです。
OCXOに変更してからは段違いの安定度です。長時間通電しても周波数変動は0.1Hz以内で動作しますので安心して周波数測定ができるようになりました。ありがたいことです。

追記 もしも所有している周波数カウンターに外部基準信号入力端子付きの機器をお持ちの場合測定精度を上げませんか。


上図はオークションサイトで見つけ出した小型の OCXO です。左基板は DC:5V 安定化電源基板でジャンク品のACアダプターから安定した DC:5V を供給します。右基板は米国製 Isotemp OCXO 143 Series OCXO 143-141 型(外形 W25.78 D25.78 H14.99 PIN 5.08)製造年月 1126 (2011年26週製造) で 中古品でしたが送料別1300円で入手したものです。規格として 10MHz CMOS (方形波出力) DC:5.0V入力 消費電流 MAX 500mA~140mA 程度で動作します。発振素子内のヒーターが動作し短時間ですが最大500mA程度消費しますが オーブン内温度が安定すれば 150mAほどに安定します。安定するまでは約5分です。


OCXO周辺回路として REFERENCE VOLTAGE 端子に約2.2V程度を印可することにより発振周波数を微調整することができます。次項目で説明している自作 GPS 10MHz 基準信号発生装置に使用したスイス製OCXOでは発信ユニットには REFERENCE VOLTAGE 端子が設けられており 安定したDC電圧出力端子が存在しこの電圧からVRで発振周波数微調整します。しかし今回使用した OCXO では定電圧出力端子は存在しません、そのため発振周波数調整回路のDC電源は新たに回路設計します。この OCXO は DC:5V で動作するため 3.3V 3端子レギュレーターICを使用して基準安定化電源回路を作成します。この安定した DC:3.3V から10KΩ多回転半固定VRの中点から OCXO のREFERENCE VOLTAGE 端子に接続し発振周波数の微調整をします。今回も上記と同じように出力バッファ回路として IC 74HCU04N を使用してから10MHz出力回路とします。


上記回路を動作するための電源用に用いたジャンク品のACアダプターです。左側はDC:5V 1A容量スイッチング電源ACアダプターです。これを使用する場合 DC:5V 電源安定化基板は使用する必要はありません。右側は電源トランス内蔵ジャンクACアダプターで規格は DC:6V 500mA と記載されています。回路全体では電源投入時  DC:5.0V 570mA 消費しますのでトランス式ACアダプターを使用する場合電源電流値を適切に選択する必要があります。5分もすればOCXOは安定動作となるため消費電流は200mA弱に落ち着きます。使用したACアダプターでは無負荷出力電圧は DC:8.8V であり3端子レギュレーターIC 7805-1A には放熱板を取り付けます。

今回作成した 10Mz 基準信号発生装置は小型になりました。精密測定の結果 通電後5分もすれば 10.000000MHz ±0.05Hz 以内の信号が出力されます。周波数カウンター・ユニバーサルカウンターの精度は非常によくなります。外部基準信号入力端子がある機器の測定精度向上されることをお勧めします。
同じような形状のOCXOでは今回使用したメーカーは米国製 ISOTEMP でしたか中国製 OCXO CTI製も安価に入手することができます。
複数台のOCXOを実験使用しましたが 周波数微調整端子電圧は DC:2.2V 前後で発振出力周波数はジャスト周波数となります。参考まで ! ! !   (2024/04/25追加)

無銭庵仙人の独り言


上図は工作した 校正基準器内部に搭載した OCXO部 10MHz と GPS信号から得た 10MHz信号との校正作業です。改造した下段のユニバーサルカウンターは入力端子として BNCコネクター端子 A , B , C ,各端子があります。
A  ,端子は 150MHzまでの測定端子であり B , 端子は15MHzまでの測定端子です。 C ,端子はプリスケーラが搭載されていますので 分周器により50MHz~1.3GHz(1300MHz)まで測定可能な機種です。
工作した校正基準器の校正作業として上記測定は A端子に GPSからの10MHz信号を接続、B端子はOCXOからの10MHz信号を接続します。測定モードは単独の周波数測定モードとは異なり 入力端子 A-B モードで両端子に接続された信号を引き算するモードです。同じ10MHz信号が比較・引き算されて誤差分がデジタル表示される仕組みです。今の状態はGPS信号とOCXO信号との誤差が 0.0Hz ですので同じ周波数であるとなります。再校正完了です。

ユニバーサルカウンター校正作業前の動作確認を兼ねた 校正基準器の校正です。上記接続で校正前の数値として +0.2Hz が観測されました。以前校正してから数年経ちますが OCXOの周波数はほとんど狂っていません。この校正基準器を SC-7203 の外部クロックとして今日まで運用していましたので 以前の測定結果は精度が出ていたと判断できます。標準信号と同等である精度の良いGPSからの10MHz信号は外部アンテナを使わなければ常時運用できません。道楽作業部屋での運用は内蔵 OCXOからの10MHz信号を使って SC-7203 は使用していました。市販品 GPSDO などでは GPS信号 と OCXO信号 を位相比較し周波数制御して常時安定した10MHz出力されるような回路で動作しています。GPS信号 が無い場合では OCXO信号 のみ出力する構造と思います。
工作した校正基準器は簡単な構造で GPS,OCXO 単独で動作する構造としました。OCXO 単体でも安定すれば周波数変動は ±0.1Hz 以内の精度で動作しますので周波数ロック機能の必要性は感じませんでした。

周波数測定器として ユニバーサルカウンター・周波数カウンターを使用している方でも 外部標準信号 10MHz 入力端子が取り付けられている機種の場合 GPSレシーバー・OCXOなど外部接続の機器を工作すれば測定精度は向上します。又完成品 GPSDO 搭載の機器も販売されています。オーディオ用途となりますが 10MHz マスタークロック・ジェネレーターでもよいと思います。内部には OCXO が組み込まれている機種も市場には数多くあります。しかし小生は購入するための財力は乏しいため 今回改造工作となったわけです。

参考までに SC-7203 OCXO 通電時からの発振周波数偏移 室温26.5℃ 基準10MHz GPS衛星にロック信号

通電直後 10秒ほどはセルフチェック時間 OCXO 搭載時
10秒 +198Hz   1分 +63Hz  2分 +2Hz  3分 +0.1Hz  4分 ±0.0Hz 5分 ±0.0Hz  となり 5分以上経過すれば事実上誤差は発生しません。TCXOに比較して格段の性能向上です。初期周波数変動幅は 約200Hz ですが 安定時 ±0.1Hz 以内で安心感が得られました。

内蔵 TCXO 使用時では
通電後10秒 +4Hz  1分 +4Hz  2分 +5Hz   3分 +6Hz  4分 +6Hz  5分 +7Hz  10分 +10Hz   30分 +13Hz  60分 +13Hz   周波数変動幅は 約9Hz
筐体内温度上昇に伴い周波数はずれていきます。多少調整不足ですが 13Hz±1.0Hzほどで安定しました。

異機種 XO水晶振動子搭載している TR-5142 では
通電直後 +35Hz  1分 +29Hz  2分 +27Hz  3分 +25Hz  4分 +23Hz  5分 +20Hz  10分 +10Hz  60分 -1Hz  周波数変動幅は 約35Hz 安定時±2.0Hz 以内に収まります。

上記のような通電後の周波数変動です。OCXOは3分までの変動率は大きいですが 安定動作となれば桁違いの実力です。カップ麺出来上がる時間までの測定は避けなければなりませんね。
以上の測定監察結果から通電後30分までプリヒートタイムとすると OCXO では ±0.1Hz以内  TCXO では調整が必要と思われるが 基準値より 13Hz ほどずれているが ±1.0Hz の安定度でした。TR-5142 では基準値から ±2.0Hz 以内に収まります。
上記観測結果から判明しますが 水晶振動子の基準信号でも発振器周辺温度管理及び回路設計で優れた性能が確認できました。たとえTCXOであっても温度管理が不十分な場合温度補償型水晶発振器であっても性能が出ないこともあります。又周波数の微調整において調整用トリマーコンデンサーはクリチカルな動作をしており 周囲温度及び筐体内温度変化により性能を発揮・維持するには結構調整作業の難易度は高いと思います。OCXOに改造の結果 自己満足の自己校正作業内容報告でした。

今回採用した新古品 NDK製 OCXO ATA3082-Aは安立製測定器のリファレンス基板に搭載されている OCXO と同じものです。以前購入願望であったアドバンテスト製ユニバーサルカウンター TR5823H(10MHz OCXO搭載) でしたが価格的に折り合わず市場には TR5823(10MHz TCXO搭載) はよく見かけますが TR5823H はほとんど見かけません。その後 Iwatsu SC-7203 を購入となりました。この機種がポケットマネーで OCXOを搭載となりましたのでほぼ TR5823Hと同等性能となりました。TR5823 はTCXO搭載機種であり性能は SC-7203 と同性能でしたが 今回の改造によりパーションアップです。

おかげさまで道楽作業で使用している骨董品、いやガラクタである ユニバーサルカウンター及び周波数カウンターの校正作業も完了し誤差も把握できました。今後安心して道楽における測定作業、および 改修・工作作業ができます。

自己校正とは自己満足の道楽作業です。

各種 GPSレシーバー実験用途として工作 u- blox社 NEO-6M-0-001(GPSユニット)

上記画像は工作した 10MHz 校正基準器に搭載している同等のユニットです。周辺回路を模索し実用化となるまで試行錯誤した実験基板です。現在でも DC:5V電源と外付けアンテナを接続すれば正常に動作します。購入当時付属していたGPSアンテナでは道楽部屋での運用は感度不足で使用できません。

愚痴です

以前から所有している タケダ理研製周波数カウンターは製造後40年近くなると思います。型番は TR-5142 80MHz です。現アドバンテスト製です。この機種のキャリブレーション作業は上蓋を外せば簡単に調整できます。内部の熱源から離れた場所に設置してあり10MHz 水晶振動子 HC-49U が使われていますが 実際に運用している状態に似通った状態での校正・調整は簡単にできます。安定動作時では TCXO搭載されている SC-7302 よりは周波数変動は少なく安定しているように感じました。SC-7302 では上部キャビネットを外さなければ調整はできません。TCXO は温度変化の大きい電源制御回路ICが取り付けた放熱板付近にあります。これらの配置が周波数変動の原因とも考察できます。調整中とキャビネットを元に戻した場合 周波数変動を確認しました。筐体内で大きく温度変化が発生する付近にTCXO温度補償型水晶発振器取り付けですが 安定度には ? 疑問があります。特に温度変化で発振周波数が変動する発振回路では 常用状態でどれだけの精度が得られるか ?  製造コストも重要ですが特に精密測定する場合 校正・調整方法・内部構造などにも 製造メーカーは考慮してもらいたいと思います。SC-7302 での多く発熱のある個所は電源回路であり 電源トランスと電源部レギュレーター IC が取り付けられている放熱板です。

工作した校正基準器に内蔵している OCXO 周波数調整は本体側面にあり 通常M4のビスでメクラしてあります。調整時キャビネットを分解せずにビスを外して周波数調整できる構造としてあります。

上記記載事項は自己満足による改修作業内容の記述です。参考程度の記述とご理解ください。頭の体操および暇つぶし策ができました。



by musenan sennin

2018年11月27日火曜日

GPSレシーバー u-blox NEO‐6Mを使った10MHz校正基準器(Calibration Standard)の工作

自由人である暇つぶし策として無線機・オーディオ機器の工作・保守作業などを 道楽・趣味としている 無銭庵 仙人 と申します。好きな音楽を聴きながらのうたた寝は最高です。凡人が記載している内容は個人的な解釈による事柄であり誤解釈・誤記載等が多々発生していると思います。参考程度の記載内容とご理解ください。記述内容は本題から余談となる場合もありますのでご容赦ください。周波数を測定する測定器を校正するための校正基準器の工作であり その基準となる信号は宇宙に浮かんでいるGPS衛星からの信号を使います。その衛星はセシウム原子時計により電波は周波数制御されています。

骨董品と思われる いやガラクタ ? 複数台所有し現実に活用している周波数カウンターの自己校正作業は近年実施できておりません。測定結果が数字表示として確認できるのですが各機器での表示数値が多少異なっています。どの機種を信用してよいのか判断に苦しみました。測定においては誤差は必ずつきものです。誤差の程度を把握しなければなりません。使用する測定機器などはメーカー校正依頼すればベストなのですががメーカー校正は結構高額の費用が発生します。又製造後数10年以上となればメーカー校正を断られます。最大の問題として校正費用の調達ができません。
道楽作業においてですが数多くの骨董品測定機類を収集し活用しています。その測定機器類は随時自己校正をし活用しています。Iwatsu製 SC-7203型ユニバーサルカウンターは性能向上に伴い最近入手しました。25年ほど前に製造された中古品であり入手時の精度は不明です。誤差・精度の把握及び自己校正用の正確な 10MHz 校正基準器(Calibration Standard)が必要と思い工作しました。しかも費用を多くかけずにです。正規の校正基準器は市場には数多くなく高額であり手が出ません。
以前から所有している周波数カウンターはアナログテレビ放送NTSCカラーバースト信号 3.579545MHzを使って自己校正は実施していました。アナログ放送から地デジ放送に電波は変更となり現在校正基準信号として使用することができません。頭の痛いことです。

動き出した u-blox GPSモジュール NEO-6M-ANT-4P (GY-GPS6MV2)

マイコンなどのプログラムを作成するほどの技術力は持ち合わせません。現在使用しているPCは自分で工作した cpu intel core i5 (4core 3.5G)ミドルタワー組み立てパソコンを使用しています。プログラムなどのインストール程度のスキルしか持ち合わせません。工作において他の文献を参考としましたが 簡単な説明程度しか記載されていませんでした。素人に毛が生えた程度のスキルでは採用したGPSユニットが実働するまでには結構な時間がかかってしまいます。その意味もあり記載内容については工作における忘備録です。

参考程度の資料とご理解ください。

工作に至った理由として道楽で所有している多数の骨董品に属する測定機器類を随時自己校正していますが 現在周波数カウンターなど自己校正する基準信号を持ち合わせません。色々調べているうちにGPSレシーバーを使えは校正信号として使用できるとの投稿があり工作に挑戦しました。工作においては GPSユニットが実働するまでには 試行錯誤の連続です。工作に長時間奮闘です。プログラマー・オタク族などから見れば簡単な作業内容であっても初心者では理解に苦しみます。作業の要であるCFGプログラムの格納場所の発見と設定値を理解するのに時間がかかりました。

前置きはここまでとし本題の工作に進みます。途中横道に記述内容が脱線することもあります。愛嬌と判断ください。

工作に必要な材料収集


購入した u-Blox 社 NEO-6M-0-001 GPSモジュール基板と GPSアンテナセット

・GPSレシーバー(ユニット)    u-blox 社 NEO-6M 系GPSユニット [NEO6M-ANT-4P]
・USB-TTL変換ユニット   U2TL340SP
・USB延長ケーブル     Buffalo BSUAA2151V 1.5m延長コード
・蛇の目ユニバーサル基板  AKIZUKI AE-B2 CEM-3  95×72mm
・ロジックIC                       74HCシリーズ(NOT) 74HC04 or 74HCT04 or 74HCU04
・汎用 5V 定電圧電源 DC-1A程度  各自適宜調達 (ACアダプターDC7.5V 100mmA と5V3端子レギュレーターIC 7805タイプ)
・その他配線に必要な極細電線  メカニカルマウスに使用されいた電線を分解しての流用
・その他小物類       ピンヘッダー・電解コンデンサー・セラミックコンデンサー・小物部品等など

必要に応じての調達品

HC-49U/S 小型 10MHz 水晶振動子

・GPS外付けANT     WINGONEER SMA 利得28dBアクティブアンテナ 3m
・RF用SMAコネクター  SMA-J  
・リチウムイオン充電池  廃棄携帯電話機からの流用 3.7V
・バンドパスフィルター 10MHz HC-49U/S 水晶振動子

バンドパスフィルターとして使用した10MHz水晶振動子はマイコンを搭載した産業用・家庭用なども含め制御機器に回路動作用のクロック用途として大量に製造されています。購入価格は1個30円程度で入手可能な電子部品です。単体で水晶発振器も工作しましたが 結構安定した水晶発振器としてクロック信号を得ることができます。又精度の良い無線機マーカーとしても活用できます。



評価用ソフトウエア等のダウンロード

U blox 社より  u-center Windows v18.10 GNSS評価ソフトウエア 旧バージョンのソフトもよく探せば見つかります。
u-center Guide の検索により 2種類のPDFファイルをダウンロードします。ホームページからでは英語で記載されているため翻訳に手間取ります。
1.u-center 設定ソフトの使用方法(日本語PDF GPSユニットの接続方法等)ファイル名 u-center-quick-start
2.u-center 評価ソフトウェア(日本語PDFファイル 評価ソフトの取扱説明書)ファイル名 u-User Guide

上記日本語のPDFファイルの説明を熟読されれば工作に要する時間短縮につながります。

蛇の目基板に組み上げた各部品・ユニット類
各部品の準備が出来ましたら蛇の目ユニバーサル基板に搭載し配線します。各個人の手腕で工作してください。難しい工作ではないと思います。
GPSユニットについては [NEO6M-ANT-4P]を購入しましたので接続箇所は付属GPSアンテナの接続・基板接続端子4か所しか配線の必要はありません。
基板にプリントされていた名称   GY-GPS6MV2

GPSユニット基板端子名称
・GND   電源DC:5V マイナス,通信TX,RX,のグランドを接続
・TX     TTLレベルシリアル信号送出端子  USB/TTL変換器 RX端子に接続
・RX     TTLレベルシリアル信号入力端子  USB/TTL変換器 TX端子に接続
・VCC    電源DC:5V プラスを接続
(・RF  RF出力端子 赤色基板ユニットのみ存在)

[注]PCとの接続はUSBケーブルで配線しますがUSB/TTL変換ユニットとGPSユニット間の接続はツイストペア線での配線を推奨します。又両端子には RX,TXの表示がありますが接続はクロス配線とします。

上記GPSユニットにDC:3.5~5Vを接続すればユニット内の初期値での動作となり 天空が見渡せる窓際などに設置すればGPS衛星からの信号が受信できる場合 条件によりますが 1分ほどで青色のLEDが1秒間隔で点滅を繰り返せばGPSユニットは正常に動作していると判断できます。公称電圧3.7Vのリチウムイオン電池接続であっても同様に動作します。この電池を使って作成したユニットを天空の見渡せる屋外で動作可能とするためだけです。GPSユニットの動作電源電圧は3.3Vです。この信号はGPS衛星受信による正確な1秒間隔のパルス信号でLEDは青色に発光します。違うユニット赤色基板では赤のLEDです。

GPSユニットとPCの接続

これからの作業は各自使用されているPCと接続し ダウンロードした評価ソフトウエアを起動します。接続・起動の詳細は [1.u-center 設定ソフトの使用方法(日本語PDF GPSユニットの接続方法等)]を熟読されればよいと思います。


GPSユニットとPCが正常に接続動作している場合上記のような画面となります。正常に動作しない場合の点検個所はUSB接続によるUART COMポートの設定です。グラフ表示などは好みにより簡単に配置換えができます。

右記画像の場合ツールバーから接続を確認することができます。画像上部左には動作しているソフトウエア・バージョン u-center 18.10の表記であり windows 表記下部のコンデンサーのような記号の右横▼をクリックすればCOMポートの指定ができます。
又は上段の receiver,  connection, から接続されるCOMポートの設定ができます。正常に接続されている場合接続マークは緑色となります。マークを押すと切断,接続,が交互に変化します

この状態であればPCとGPSユニット間 TTLレベル/RS-232C 互換シリアル信号でPCと交信状態となり各設定・GPSユニットの動作状況が確認ができるソフトウエアです。 windows10 pro 64bit のOS環境であれば USBドライバーをインストールをしなくても COMポートは認識していました。PCによりCOMポートは数種類表記されますが 接続できるCOMポートを選択した時は記号が緑色に変化します。その横のパルス波のような記号の設定は通信速度の設定です。ボーレートは 9600 が設定されていると思います。
安価なPL2303HXを購入しましたがこのOSではUSBドライバーは認識できずいまだに動作不能状態です。どうもサポートされていないようです。ご注意を ! ! !

使用する GPSユニットの選択

購入したGPSユニットは1世代又は2世代前のユニットであり現行品ではありません。そのため現行品に比較して高額ではなく安価に入手できると思います。工作課程において参考とした文献等では主要な箇所の説明内容は簡単な説明程度であり 投稿からは詳細の説明が抜け落ちています。詳しくは CQ出版 トランジスター技術1016年2月号を参照するように記載されています。約3年ほど前の雑誌です。掲載内容は公開されていません。簡単には入手できませんね。雑誌に掲載された詳細な内容は不明状態からの出発です。この先どうなるやら ?

u-center18.10の評価ソフト起動でのGPSユニットを選択しなければなりません。採用したユニットは u-blox6 を選択します。
設定方法 receiver,  Generation,   u-blox6,  と順に選択します。

今しばらくはお遊びでこのソフトでのGPSユニットは初期値でGPS動作状態を楽しんでください。グリーンの色が数多くされれば Fix Mode はLock Mode 3G が表示しているかを特に確認ください。通電後すぐに Lock状態とはなりません。衛星を探しているようです。衛星の色の変化も観察ください。詳細は日本語PDFファイル取扱説明書を確認ください。

工作の目的は GPS信号受信による正確な10MHz信号を取り出すことを主目的としています。GPS信号による地図での現在位置・GPS衛星の位置・標高表示などは 専門のカーナビにお任せすることにします。あくまでも今回の工作は正確な10MHz基準となる信号の取り出しです。

このユニットでは正確なパルス(RF)信号を取り出せる端子は設けられていません。後継機の u-blox NEO-7シリーズでは RF信号取り出し端子が基板内に設置されておりカップリングコンデンサーで直流分はカットされています。同じNEO-6シリーズで赤色基板仕様品を再検証用として中国広東省から直輸入で購入しました。この基板はRF出力端子は取り付けられていますが直流分カットはされていません。付属のGPSアンテナは小型でしたが購入時の初期プログラムでは正常動作を確認しています。

パルス信号(RF信号)の取り出し箇所

GPSユニットからのRF信号の取り出し

RF信号の取り出しはGPSユニット端子番号③ピンからです。青色基板右上部の青色の配線です。青色発光ダイオードの電流制限抵抗チップ部品(1KΩ)が取り出し口となります。この信号を論理IC 74HCシリーズのインバーター回路を通過後RF信号を得ることになります。

ここで主目的であるRF信号の出力周波数変更作業です。

プログラムDATA(Config)の書き換え

入手時の状態では1Hzのパルス信号で その信号でもって青色のLEDが1秒間隔で発光すればGPS信号が正常に受信されています。測定場所にもよりますがおおむね1分程度でフラッシュ発光すると思います。発光しない場合受信機の設置場所などを適宜変更してください。

TP5(Timepulse5)設定画面

上図がRF信号変更画面です。この変更画面を出すまでに相当の時間を費やし苦しみました。又同様にどの箇所に何を書き換えるかもです。configの書き換えでは間違ったプログラム変更となった場合どのような動きになるか予想がつきません。参考としたレポートでは簡単な説明で流されており 知識不足と思いますが納得できる詳細な説明は皆無でした。

DATA書き換えに必要な  TP5 (Timepulse5) DATA入力画面です。

設定手順その1
1.画像上部 File  Edit   View   Player   Receiver   Tool  … からViewを選択しクリックします。
2.上から3行目 Messages View をクリックします。Messages-UBXの表記
3.左側の項目よりUBXにあるCFG(config)を選択しクリック
4.CFGの項目からTP5(Timepulse5)選択しクリック
これでTP5の設定画面が表示されます。

設定手順その2
1.左図ツールバーにある中段左から4番目をクリックする
2.Messages UBX 画面になりますので 手順1の3項目からとなり CFG から TP5 設定画面表記まで同じ手順
これでTP5の設定画面が表示されます。


TP5 設定画面が出れば 次の項目数値を変更します。

TP5 config DATAの書き換え

[注]書き込みデーターはRF信号が10MHz の時のデーターです。最初からこのデーターを入力した場合動作に不具合が発生することがありました。たぶんユニット性能以上の動作環境と思います。RF信号は10000Hz程度をプログラムし 動作環境に慣れてから最終10MHzのプログラムに移行することをお勧めします。

10MHzを出力するための設定

一番上段からの設定項目の変更及び設定項目確認

   設定項目の最上段から
       0-TIMEPLUSE 升目内表示内の設定
                    ■Active 内チェックマーク有り 
       ●Frequency 〇内にドットマーク有り 〇Period 〇内にドットマーク無し
       Frequency 升目内に希望する周波数を入力する Hz(今回は10000000)
                     〇Length 〇内にドットマーク無し ●Duty Cycle 〇内にドットマーク有り
       升目内に設定値   デューテイー比の設定数値 % (今回は50.00000)
       ■Lock to GNSS Frequency if available  チェックマーク有り
                     ■Other Setting in GNSS time Locked mode チェックマーク有り
       □SYNC mode  チェックマーク無し
                               Frequency Locked 升目内希望する数値 Hz (今回は10000000)
                               Duty Locked         升目内希望する数値 % (今回は50.00000)
                     ■内チェックマーク有り
       0.UTC Time  升目内を選択
        ■内チェックマーク有り Rising Edge on TDS
        User Delay 0   ㎱   升目内

CFG 書き込みに移行 はい(Y)
上記希望する数値を設定後下部にあるツールバーにある send をクリックすればGPSユニットに設定値が送信されます。設定値を認識すれば 1Hz点滅から輝度は下がりますが連続点灯と変化があります。
設定画面の終了すると升目内の はい(Y)を選択すると変更内容の記憶モード選択に移行します。


CFG TP5 変更DATA を EEPROMに書き込み画面
(UBX:CFG(config)・CFG(configuration)
上から4段目 ●Save curent configuration だけに〇内にドットマーク
 2.I2C EEPROM を升目内を選択
下部のツールバー send をクリック
これで設定値変更作業は終了です。
参考
出荷時の GPSユニット CFG TP5 設定値 一秒間隔フラッシュ
Period 1000000 μ,sec   Length 0 μ,sec  Period・Locked  1000000 μ,sec 100000 μ,sec  Receiver  cable Delay 50 n,sec   RF Ground Delay 0 n,sec

見苦しい説明画像です。パソコンモニター画面を撮影し掲載しました。このブログはPDFファイル・Hコピー画像などを掲載できません。ご了承ください。

この作業内容は出力する信号のパルス幅デューテイー比 50% 10MHzのRF信号を出力するようにするための設定作業です。


GPSユニットの動作内容表示
評価ソフトウエアの動作確認

Satelite Position 右端上部は受信できている衛星の天空位置表示で緑色の衛星が正常に受信できている衛星を表示します。赤色は対象外の衛星です。
Data View  項目の上から6行目 Fix Mode が緑色表示で 3Dと表示されていればGPS信号に同期したRF信号が出力されています。一番下部のグラフが緑色が多く表示されているはずです。全体的に棒グラフが緑色表示となれば受信状況は最良といえます。
もしも赤色で No Fix と表示されている場合 出力されているRF信号は衛星からの信号と同期がとれていない状態であり RF信号は基準器として使用できません。
Satelite Signal 左端上部から3段目が受信できている衛星からの信号強度のデシベル値を表示します。
Satelite Signal History その下の棒グラフは各衛星からの受信状況を時間軸に従って色で表示ます。
残りのグラフ表示等は今回参考程度と解釈ください。これらの情報の中で 受信点の緯度・経度の数値が表示されていますので 受信場所を特定することができる情報であり 表示は黒色テープでマスクしてあります。(個人情報非開示)

RF信号の取り出し

kikusui COS-5020  02μs/DIV 0.1V/DIV 10対1プローブ
 NEO-6N-0-001 と表記している GPSユニット 端子番号③ピンがRF信号取り出し口です。
この端子にオシロスコープを接続し波形観測しました。
直流分をカットせずに負荷としてはオシロスコープだけ接続したときの波形です。ここで気になることがあります。
あまりきれいなパルス波形ではありません。リンギングも発生しています。問題はパルス幅の間隔が均等になっていません。フリッカー症状です。元々10MHz(48/10=4.8) は分周比にマッチしない周波数であるため8MHz(48/8=6),12MHz(48/12=4) 成分により波形がふらついているわけです。ユニット基本周波数が 48MHz ですので分周比 6, 4, とした場合 8MHz,12MHz を出力した場合ではデューティー比はきれいな 50/50 となります。しかし今回プログラムにより10MHz信号として出力されていますので取り出される信号はフリッカーは発生しているが 10MHzです。
そこでこの出力波形をだます(改善)部品として 10MHz 水晶振動子をバンドパスフィルターとして使えは出力波形は改善されます。

kikusui COS-5020  02μs.MAG10/DIV 0.1V/DIV 10対1プローブ
左画像はオシロスコープMAG10倍モードで撮影したRF信号です。パルス幅が均等でないのが観察できると思います。
観測に使用したオシロスコープはアナログ・ブラウン管式20MHz の2現象骨董品に属するオシロスコープです。
この波形で判明することはGPSユニット性能外動作であると思います。パルス幅は均等ではありませんが周期としてはGPS衛星からの信号に同期した10MHzの信号が出力されています。
RF信号 1MHz 1μs/DIV

現在マイコンを使った産業用電子機器等は省電力型が主流であり使用目的に合わせた入・出力ポートが準備接続されます。このRF出力端子からは次段緩衝を目的とした論理ICを通過させ出力として取り出します。このような高周波10MHzを扱える論理ICの種類は数多くありません。バッファかインバーター論理ICを選別使用しなければなりません。


RF信号 100KHz 10μs/DIV
数多くある論理C-MOS ICは1MHz以下の信号で動作しています。10MHzの周波数では CD,TC4069BP(NOT)などの論理ICでは動作しません。このような高い周波数まで動作できる論理ICに SN74HC** タイプの論理ICが存在します。以前オシロスコープキャリブレーターを工作しました。同じような論理ICを今回も採用します。
以前工作したオシロスコープキャリブレーターは校正基準となる周波数を発振する水晶振動子を源発振とした発振器を論理ICを使い各種類の発振器を組み立てました。各発振回路は個別発振器とし 数PFのトリマーコンデンサー(TC)を挿入してあり発振周波数を微調整できる構造です。周波数カウンターで発振周波数を各周波数微調整済みです。

実動すればこのユニットで10MHZ校正基準器が完成します。自己校正した周波数カウンターを道楽作業で使用できるようにするための工作です。

これらのRF信号観測結果から GPSユニットより出力されるGPS衛星信号に同期した信号として得られるパルス信号は100KHz程度と推察できます。100KHzの信号ではほぼVCC電圧 3.3Vp-p 近くまであり 波形のなまりは発生していません。きれいなパルス波形が観測できました。観測結果から今回扱うRF信号は 10MHzです。多少波形に問題点がありますが何とか 10MHz GPS衛星信号に同期した校正基準器が工作できると判断します。

下図3枚はGPSレシーバーRF出力の観測画像です。一番最初に掲載したオシロ観測画像は10MHz 出力時です。
一番気になるのは 10MHz 波形です。パルス幅が均等になっていません。よく観察すると2枚目のバルス幅のそろった1サイクル分と3枚目のパルス幅のそろっった1サイクル分が交互につながっている画像と同じです。これが10MHz 出力波形のパルス幅が等間隔となっていない原因です。

10MHz RF出力波形 0.02μsec(0.2μsecを拡大×10(MAG))/DIV  1.0V/DIV

上図は GPSレシーバーRF出力波形です。プログラムは 10MHz 出力とした時の波形であり  8MHz,12MHz 成分が重なり合って 10MHz パルス幅が違う出力波形がフリッカー状態となる理由です。
観測された波形の時間を読み解くと 各パルス幅は -3/DV, +2/DIV, -2/DIV, +3/DIV の繰り返し波形です。この時の1/DIV は0.02μsec ですので 0.06μsec, 0.04μsec, 0.04μsec, 0.06μsec と波形は並んでいます。1サイクル分の時間は 0.06μsec+0.04μsec=0.1μsec ですので周波数を計算すれば 10MHz となります。
このような波形のパルス幅は異なるが一周期分としての波形とすれば 0.1μsec 丁度 10MHz の波形となるわけです。
下図は等間隔の連続した 2/DIV ,3/DIV 周期の波形を記載します。

12MHz RF出力波形 0.02μsec(0.2μsecを拡大×10(MAG))/DIV  1.0V/DIV

上図は出力周波数を 12MHz にプリセットした時のRF出力波形です。10MHz の波形と異なりパルス幅が均等な出力波形です。重なり合うような波形は観測できません。きれいな 12MHz の出力波形です。均等なパルス幅であり 2/DIV 間隔が連続した波形が観察できます。
1サイクル分の時間は 0.04μsec+0.04μsec=0.08μsec ですので周波数を計算すれば 約12MHz  ですね。正確な12MHz の1周期は 0.083μsec です。

8MHz RF出力波形 0.02μsec(0.2μsecを拡大×10(MAG))/DIV  1.0V/DIV

上図は出力周波数を 8MHz にプリセットした時のRF出力波形です。10MHzの波形と異なり12MHzと同じようにパルス幅は均等です。重なり合うような波形は観測できません。きれいな 8MHz の出力波形です。
1サイクル分の時間は 0.06μsec+0.06μsec=0.12μsec ですので周波数を計算すれば 約8MHz  ですね。正確な8MHz の1周期は 0.125μsec です。

なぜこのような現象となるのでしょうか。

波形観測で判明するように使用したGPSレシーバー内は基本発振周波数が 48MHz の水晶振動子が搭載されています。GPS衛星にロックされていない場合 フリーランで 48MHz 発振しています。ロックされるとGPS信号に同期した正確な 48MHz で動作する構造です。今回プログラム(config)で 10MHz 出力と書き換えました。希望する 10MHz は2の倍数、3の倍数の組み合わせでの 分周比に合致していないことを前項目で少し説明しました。1/6(2×3)分周で 8MHz,   1/4(2×2)分周で 12MHz の波形が観測できます。これらの信号はGPS衛星に同期した正確な矩形波を出力しています。出力波形は 各1サイクル分 12MHz の信号と 8MHz の信号が交互につながった状態で 10MHz と 12MHz との中間である周波数 疑似 10MHz が出力されるわけです。
分周比による波形グラフで作図による解析しましたが基準周波数の48MHzではうまくタイムチャートと合致しません。12MHz,  8MHzでの位相が合致するのが 0.25μsec であり10MHzのタイムチャートと一致しませんでした。プログラム内容は不明ですがこのユニットからは正確な10MHzが出力される構造です。

オシロスコープに関する余談

掲載したRF出力波形ですが使用したオシロスコープ KIKUSUI COS 5020 の能力は 20MHz です。拡大モード(MAG)で撮影しています。拡大モードを使わない場合では 0.2μsec /DIV ですので升目内に1サイクル分の波形が観測できた場合その波形の周波数は5MHzです。拡大モードでは実質 0.02μsec /DIV になります。升目に1サイクル分の波形が観測された場合 周波数は50MHzです。もしも 50MHz 波形観測の場合この波形観測では性能外の波形観測です。拡大モード観測ではブラウン管の軌跡は暗いため見苦しいですがご勘弁を。これらが理解できれば上図の観測波形から1サイクル分の時間が判明すれば周波数を求めることも可能です。周波数カウンターを使えば簡単な測定ですね。
通常の20MHzオシロスコープと呼ばれる場合 大半の水平時間軸は 0.5μsec/DIV です。DIV1マスに1サイクル分の波形が観測できる場合の周波数は  f = 1/t の公式から2MHz ですね。拡大モード(MAG)10倍であれば 0.05μsec/DIV となりますので 周波数は20MHz となります。性能表記としてほとんどのメーカーでは周波数表記しています。
10MHz の1サイクル分の時間は f= 1/t から t 周期を求めますと 0.1μsec
12MHz の1サイクル分の時間は f= 1/t から t 周期を求めますと 0.083μsec
8MHz の1サイクル分の時間は f= 1/t から t 周期を求めますと 0.125μsec
上記画像で1サイクル分の時間が読み取れば 0.1μsec,0.083μsec,0.125μsec,となっいてます。10MHz の信号は2サイクル分で丁度 0.2μsecです。オシロの1マス目は 0.02μsec ですので 画像の端から端までのマス目は10個で0.2μsec です。
×10(MAG)とは時間軸を10倍に拡大しますので1マス目(DIV)が 0.2μsec/DIV  が 0.02μsec /DIV になります。丁度5マス目で 0.1μsec になります。
測定した RF信号 から読み取れる事柄は 垂直軸では電圧値を観測できます。測定時 0.1V/DIV  レンジで10対1のプローブを使って測定していますので DIV の電圧は 1V ですので波高値は 3.84Vp-p と読み取れます。もしもこの波形が正弦波の場合 1.34V/rms(実効値)ですね。
このようにオシロスコープを使えば波形を目視できるのと周波数および電圧まで観測できる便利な測定器です。今回の工作には多用した測定器です。

バッファもしくはインバーター(NOT)論理ICの選択

前項でも述べましたが10MHzのパルス信号が扱える論理ICの種類は数多くありません。以前オシロスコープキャリブレーター工作時に採用した論理ICが多数手持在庫してあります。このICを使って出力回路を実験しました。

使用した論理IC類

SN74HC00(NAND),74HC04(NOT),74HCU04(NOT,unbuffer),74HC02(NOR)
などが保管してありました。NAND,NOR論理ICは入力端子を並列接続によりNOTと同様になります。バッファ論理ICは手持ちとしてありません。上記論理ICでは 20MHz 程度までの水晶発振回路に問題なく使用できました。よく使われるC-MOS論理IC CD,TC4069BPなどでは水晶発振回路を組み立てましたがICの周波数特性が悪く発振しません。クロックとして100KHz程度までです。ICの使用目的に応じて選択しなければなりません。特にパルス波形ですとICの扱える周波数特性は扱う信号の10倍以上の性能でないと使い物になりません。通過後の波形がなまってしまいます。
実験用蛇の目基板に論理ICを各種実験するため14ピンICソケットを実装しました。このソケットの実装により各種の論理ICでの動作実験ができます。簡単な配線接続変更が可能です。

②10MHz水晶振動子通過後の出力信号 0.2μs/DIV
RF信号出力端子から論理IC入力端子に接続となりますが u-blox NEO7シリーズではRF出力端子が設けられており 段間カップリングとして 0.1μFのコンデンサーで直流分がカットされている構造です。
①論理ICに直接RF信号を接続状態の出力信号 0.2μs/DIV
 SN74HC04,74HCU04(NOT)論理ICで実働実験しました 。NOT回路が6組存在します。
①.直流分をカットせずにRF端子と論理IC入力端子接続する実験 
②.10MHz水晶振動子をカップリングコンデンサー代わりに使用する実験
②.は水晶振動子を10MHzバンドパスフィルターとしての活用を狙いました。RF信号は各論理ICの入力端子まで簡単に接続変更できるように接続ピンを設けます。

論理IC 74HC04 NOTからの出力信号観測波形です。違いが判明できますか ? 10MHz水晶振動子をカップリングコンデンサー代わりに挿入した波形ではパルス幅が均等になっています。出力波形もRF信号よりは論理IC,VCC電圧が5Vですので波高値も大きくなっています。今回採用した水晶振動子のバンドパスフィルタ―動作が実証できました。アマチュア無線機ではSSBの信号を作成するのに水晶フィルターが多用されます。ただこの回路ではRF周波数を大きく変更した場合バンドパス特性により出力端子からは信号は出力されません。

[注]オシロスコープ観測画像
接続プローブのカップリングは DC  グランドレベルは下から2段目  垂直軸 電圧 1.0V/DIV(10対1のプローブ使用であるため垂直感度レンジは0.1V/DIV) 水平時間軸については画像説明文に明記


10MHz,GPS衛星に同期した正確な基準信号を得ることができました。



10MHz校正基準信号出力波形 0.2μs/DIV
左図は得られた10MHz 校正基準信号の出力波形です。論理ICは SN74HCU04 です。一段目の後4パラレル接続NOTの出力に10KΩ負荷での信号です。VCC電圧5Vまでドライブできていません。4.2Vp-pの出力波形です。多少波形に歪があり不満がありますが校正基準信号としては活用できました。

工作においてもう少し改善箇所があります。それは論理回路ICから出力された信号は周波数カウンターなどに接続の場合 測定用同軸ケーブルの分布容量などの影響で波形が小さくなったり波形が歪むことがあります。オシロスコープの波形を掲載しましたが回路は開放状態であり 負荷はオシロスコープ・プローブのみです。10対1モードで入力抵抗値は10MΩです。論理ICを多段に接続しても波形は改善できませんでした。そのため次段を4パラレルとしました。
ローインピーダンス出力の増幅器を設計しなければならないと思います。バラック回路で実験をしていますが納得できる特性とはなりません。もうしばらく頭の体操が必要なようです。しかし作成したユニットは実用レベルとなりました。手っ取り早い方法は論理IC SN74HCタイプを導入が確実と思います。出力波形はともかく 5Vp-p 前後の信号が出力されます。
出力端子はBNC接栓仕様としました。測定ケーブル・測定機器などはほとんどBNCコネクターですのでこのような仕様です。後はケースに収納となりますが今しばらくは基板のみの状態で運用となると思います。

以降の作業内容については道楽部屋窓際の作業での問題です。工作する場合工作室の環境などにより動作状況は変化します。生活環境での判断としてください。

問題点として発覚

・ 作業が窓際であり作業効率が悪い
・ GPS衛星からの信号が不安定である
・ 建物がSRC造の集合住宅であり窓際から天空のロケーションが悪い

上記問題の解決策として外付けGPSアンテナの導入

外部GPSアンテナ
左図は追加購入した車載用ナビなどに接続するための外部アンテナです。外部アンテナはアンテナ部に前置増幅器(ブースーターアンプ)が内蔵されておりアクティブアンテナです。延長ケーブルロス補償などを含め約28dB利得のGPSアンテナです。アクティブアンテナであるためGPSユニットからは増幅器動作用電源を重畳しなければなりません。
外部アンテナで運用するには一部改造が伴います。

集合住宅通路側に設置したGPSアンテナ
GPSアンテナの仕様
GPS Antenna
Model GPS-001
Voltage DC:3V~5V
Frequency 1575.42MHz
 との本体記載

今回購入したGPSユニットに付属していたセラミックアンテナも前置増幅器が取り付けられています。そのためユニットの ⑪ピン端子はアンテナ入力端子となっていますが アクティブアンテナ動作用電源として⑧,⑨ピン端子からはRF阻止フィルターを通じて+3.3Vのブースター電源を重畳しアクティブアンテナに供給としてあります。今回GPS衛星からの受信電界強度が弱いため 外付けアンテナ仕様としました。
継続上位機種と思われるSMAアンテナ入力端子の搭載した機種であればこのような改造は発生しません。u-blox-M8Nなどの機種はSMAアンテナ入力端子仕様となっています。
採用したGPSアンテナは自動車などに搭載目的として販売されています。裏面はマグネット仕様となっているためこのように鉄格子に簡単に設置することができます。
ただしアルミサッシには8φ程の開口しましたので窓の開閉・施錠・防水には問題はありません。安心して道楽部屋での運用が可能となりました。

外付けアンテナを接続するための改造
外部GPSアンテナ使用での改造に必要な部品

・外付けGPSアンテナ ( 同軸ケーブル RG174 3m 付き SMA-P)
・SMA-J 高周波コネクター

上記部品を準備します。付属していたセラミックGPSアンテナは基板で接続していたコネクターを外します。
・NEO-6M-0-001 と記載されていたGPSユニットの ⑪ピンからSMA-J の中心導体に接続
・NEO-6M-0-001 と記載されていたGPSユニットの ⑫ピンからSMA-J  の外皮部に接続
上記配線は極力最短配線となるようにしなければなりません。扱う周波数が1.5GHzであり注意が必要です。そのためSMA-Jは上図のようにGPSユニットとの配線が最短距離となる場所に設置します。外付けアンテナを使用しない場合は付属していたGPSアンテナを接続すれば正常に動作します。
ケースに収める場合などSMAコネクターをGPSユニットから離れた場所に設置とする場合は 50Ωの同軸ケーブルで配線することになります。この場合付属していたGPS アンテナは使用することができません。アンテナ並列接続ではミスマッチとなる恐れがあります。

まとめ

一応実用レベルまでの 10MHz 基準信号がこのユニットから取り出せました。運用方法については多少諸問題も発生しています。特に安定かつ連続した信号でないと校正作業はできません。
複数台のGPSユニットを購入し実験を重ねましたが結論として10MHzの出力は受信場所により異なると思いますが GPSユニット性能外での使用方法であり 完全に衛星信号にロックした状態を確認しなければ使い物にならないと思います。信号をロックさせるに小細工をしなければなりません。最低4個の衛星信号がロック状態で受信できないと 3D 表示とはなりません。

安定したGPS信号ロック10MHz基準器工作においては 10MHz水晶発振器(VCXO)などを1/100に分周した信号とGPSから得られた100KHzを位相比較回路(PLL)で得られた制御直流電圧として水晶発振器の発振周波数を制御する方式がベストと思います。ただ回路は複雑となり部品点数も増加します。組み立てキットも販売されているようです。

使い方さえマスターすれば安価に部品点数も少ない 10MHzの基準信号を取り出せたのは幸運です。

問題点

GPSモジュールを電源投入し評価ソフトでモニターするのですが ある程度時間が経過してもの Fix Mode No Fix 表示で バーグラフ及び3D 緑色表示 にならない現象が発生。気長に待てばロック状態に移行はします。受信状態によりロックに必要な時間は不定期です。

回避策

TP5 CFG の現在プリセットしている 10MHz設定を 100KHz以下の周波数にに変更します。変更後 send をクリックすると RF信号は変更した周波数を出力するようになります。その状態でしばらくモニターすると信号がロック状態になりやすくなります。ロック状態になれば再び設定値を 10MHzに戻し send すれば再び RF出力は 10MHzとなります。その後はGPS信号に使用する衛星が認識したと思われ連続した 10MHz が出力されるようになります。

個人的な結論

使用したGPSユニットは目的外の使用方法であり RF出力周波数が高いため内部での処理能力が追い付かなくなったとも考えられます。ユニットが使用する衛星を判別した結果10MHz出力時でも安定した処理となったと個人的な解釈です。
基板が赤色のユニットと性能比較しました。部屋の中でも初期の動作であれば Fix Mode はLock モードに短時間で移行しますが 10MHz プリセット時では天空のローケーションが悪い場合 Lock 状態になりません。多数の衛星が強い電波で受信できない場合です。特にRF出力が 10MHz の場合これを回避するため 外部アンテナに変更 するか 受信状況の良い場所 で運用するしか解決方法はありませんでした。

安心してください。このよう一時的に低い異なる周波数にプリセットしたとしても CFG で記憶処理(Save)をしていませんので ユニットは以前の状態を保持しています。電源を落としても次に立ち上げた場合10MHzをRF出力します。
急がない場合 30分ほど受信感度の良い場所で運用すれば自動的に 3D 表示に移行しその後安定した受信状態に変わります。

測定器の校正作業などを実施する場合 PCを接続、評価ソフトを起動しGPS信号のロック状態を確認しながら校正することを推奨します。


赤色基板 GY-NEO6M GPS 比較用で中国広東省より購入 RF端子付き
左図は比較検証用として購入した同じGPSユニット NEO-6M-0-001 が搭載されたGPSユニット赤色基板です。3.7Vのリチウムイオン電池だけを接続し窓際での動作確認です。正常に動作しました。購入価格は破格値・送料込み 千円以下です。ただ国際郵便で送付されて来ましたので発注後10日前後かかりました。

[注意]

使用したGPSユニットは10MHzを設定してあれば衛星信号によるロック状態でなくとも10MHz前後のRF信号が出力されます。モジュール内に基準水晶発振器が内蔵されており基準クロックが不安定ながら発振状態を継続します。この水晶発振回路では GPS信号により発振制御されてGPS信号に同期した目的のRF信号を発生する構造と推察します。使用したユニットでは周波数変化としてロック時とアンロック時との誤差は 50Hz程度の変化が確認できました。

必ずFix Mode がロック状態を確認しなければ校正基準器として使用できません。

GPSユニットの品種により基準水晶は水晶振動子もしくはTCXO型(温度補償型水晶発振器)搭載器が存在します。今回採用したGPSユニットは水晶振動子による発振器を搭載しています。TCXO発振器内蔵のユニットの場合は周波数誤差が少なくなると思います。

基板にはバックアップ電池が搭載されていますのでプログラムデーターなどは保持し続けると思いますが 電池容量減少に伴い長期間経過した場合設定値は初期値となると思います。その場合 u-center の評価ソフトで再度設定変更をすればよいことと思いますので バックアップ機能については今回無視させていただきます。電池の種類としては酸化銀電池1.55Vが搭載されており簡単に電池交換できる構造ではありません。

実用可能となった u-Blox 製 各GPSユニット 出力回路は模索工作中

工作したGPS衛星を使った 10MHz 校正基準器ですが 目標の低価格5千円前後で工作できると思います。その内訳には通販による輸送費用も馬鹿になりませんが含みます。パソコンの扱えない偏屈・因業爺さんたちにとっては ものまね のできない工作です。
工作に自信のない方は完成品も探せば見つかります。10MHzと1pps出力が選択できGPSDO と呼ばれている信号発生器です。内部構造は基本的に同じ物と思います。
現実に電波を使った各無線機器間では信号の同期を取るためにGPS信号で基準信号発生器が設置されています。例として各携帯電話無線基地局にはラック仕様の高級・高額なGPSによる基準信号発生装置が導入されています。よく観察すると局舎の近くには小さなGPSアンテナが設置されおり 50Ω同軸ケーブルで局舎内に引き込まれています。

10MHz校正基準器作成に挑戦されてはいかがでしょうか。安価な出費で事が済みます。工作するのに暇つぶし策ともなります。使用した6MシリーズのGPSユニットは 1000~2000円前後の出費で購入できる数として市場では減少傾向です。7M,8Mも検討しなければなりません。トラ技に掲載されている工作内容記述は不明でしたが何とか完成したようです。

精度・誤差の把握

道楽での自己使用分として  調整・校正後であれば 測定機器は現状の精度・確度があれば満足できます。

複数台使用している周波数カウンターでは 通電後30分以上であれば 10MHzは ±2~3Hz以内のドリフトに収まります。
基準クロック調整後の校正結果 
通電直後 -13hz, 30分後 -0.5Hz, 1時間後 +2.1Hz, 以後ほとんど変化なし 15Hz程度の変化分です。精密測定するにはプリヒートタイムは重要な要素です。
上記のような周波数のドリフトが確認できました。通常測定時は数Hz以内の誤差で測定できます。SC-7203型の校正結果です。後日時間をかけて自己満足ですが±1.0Hz以内に追い込む予定です。
OCXO搭載分であればこの数値よりドリフトは少ないと思います。しかしOCXOは恒温槽のオーブン(ヒーター加熱)仕様であり発振器周辺温度が一定となるのに約30分プリヒートタイムが発生します。それまでの時間は精度は出ません。
ユニバーサルカウンターなどの精度を上げるには外部10MHz基準信号入力端子が設けられています。別付けGPS制御10MHz OCXO 外部発振器又はルビジウム原子発振器を接続することで問題は解決します。
[注]ルビジウム原子発振器とは源発振器はOCXO水晶発振器であり 発振制御はルビジウム原子の固有振動周波数と原発振を逓倍したマイクロ波を共振空洞内での光検出器からの出力信号で制御する複雑な構造です。

SC-7203型 1時間通電後 工作したGPS信号との調整及び校正 10MHz 3D Fix Mode  室温20℃

オーディオの分野ではマスタークロック発生器として10MHz マスタークロックジェネレーターが市販されています。販売価格は結構高額です。10数万円するものでも発振器はOCXOを使っていました。プロのマニアの中には特注品のルビジウム発振器使われている方も存在します。もしもクロックジェネレーターを工作するとすれば  VCXOを使ってGPS衛星からの信号と位相比較回路で作成した制御電圧をVCXOの発振周波数を制御し衛星信号に同期した10MHzを送出するジェネレーターを工作すると思います。この場合OCXOよりは精度は良いと思います。この信号でハイレゾ音源などのデジタル音源再生装置の基準信号に使用すればベストと思いますが。
現在PCを使ってハイレゾ音源が再生できる環境とはなっています。肝心のアンプなどの音響システムは工作後50年ほどとなる真空管システムです。能率の良い(95~100dB)フロア型スピーカーシステムの組み合わせで真空管式オーディオシステムは現在でも問題なく実動しています。マスタークロックを使って再生するような聞き分けできる良い耳は持ち合わせません。凡人です。
GPS信号で作成したマスタークロックジェネレーターも応用工作として可能ですが 現在採用予定がないために工作予定はありません。


無銭庵 仙人の独り言


上段 タケダ理研 TR-5142   下段 岩崎通信 SC-7203

所有している周波数カウンターおよびユニバーサルカウンターです。自己校正中の表示内容です。上段は TAKEDARIKEN (現ADVANTEST)TR-5142型 Frequency Counter 80MHz  下段 Iwatsu SC-7203型 UNIVERSAL COUNTER 1.3GHz です。
約1時間通電後での校正結果です。正確なGPS信号から作成した10MHzの基準信号を計測しています。カウント時間は10secで表示していますので下桁の単位はは0.1Hzです。SC-7203型は基準信号に比較して+5.3HZであり TR-5142型は マイナス0.9Hzを表示しています。表示を10MHzジャストに調整するには基準クロック発振器の発振周波数調整用トリマーコンデンサー(TC)の調整となるのですが調整において微妙な調整作業となります。なかなか思うようにジャスト表示に調整できません。

上記機種の通電後の周波数ドリフト状態観測

      通電直後   30分経過後 60分経過後 90分経過後      変化分
SC-7203      -14Hz       ±0.0Hz         -0.1Hz         +4.8Hz          18.8Hz
TR-5142  +57.6Hz      +15.4Hz        +3.9Hz         -0.9Hz     56.7Hz

上記通電後の周波数変化分の観測により TCXO 発振器のほうが周波数安定度は良好となりました。
やはりこのような測定器については 通電後の不安定部(ドリフト)を少なくするため精密測定時には最低30分経過後に測定することを推奨します。2時間以上の連続通電の場合ほとんど周波数変化は両機器とも発生していませんでした。その時の誤差分さえ把握している場合 補正すれば正確な測定結果が得られると思います。
±1.0Hz以内の精度とするには この機種ではTCXOですが 調整中周辺の温度変化で2Hz程度の変化が観察できます。TCXOの後部に定電圧回路の放熱板があり 周辺の温度よりは高温と思います。調整時はキャビネットを外して調整となりますが約2Hzほど低く設定すればキャビネットをつけた状態でほぼ誤差無しとなるように調整する必要がありました。(室温20℃)
この調査も正確な10MHz校正基準器があるから判明した事柄です。

SC-7203 TCXO (NDK 日本電波工業製)
水晶発振器で誤差・安定度などを表示する場合周波数の変化分を ppm の単位で表示されます。この単位の意味は 変化量が100万分の一の場合 1ppmと表示されます。
10MHz の1ppm といえば10Hzです。SC-7203 の場合通電後から60分までの変化量は約14Hzですので約1.4ppmです。安定してからの変化量は±2Hzとすると 確度は±0.2ppm であり非常に優秀な測定器であるといえます。

現在使用しているアマチュア無線機は購入後一度も基準水晶発振器の校正した記憶はありません。今回校正した周波数カウンターで再調整が可能となりました。運用面では使用には問題は発生していません。50~1200MHz・V,U無線機は TCXO 搭載 1.9~50MHz・HF,VHF 無線機は水晶発振器(XO)でオプション品TCXOは搭載していません。

基準信号発振器の場合 精度の良い発振器順番は
ルビジウム原子発振器(Rb OSC)、OCXO(オーブン型発振器 Oven Controlled Crystal Oscillator),TCXO(温度補償型発振器 Temperature Compensated Crystal Oscillator)、水晶振動子発振器(Crystal Oscillator),他にはVCXO,SPXO タイプが存在します。
現在市販されている一番精度の良いものは ルビジウム(Rubidium)原子発振器を搭載した校正基準器と思います。精密級発振器はOCXO発振器と思います。

余談

今回入手したユニバーサルカウンターは Iwatsu SC-7203型でした。本命は Advantest TR-5823H 型です。品番で最後のHなしの基準信号発振器は  TCXO ですが Hがある場合OCXOが搭載されています。H付きは校正する場合SVRで直流電圧を調整します。発振周波数微調整用小容量コンデンサーはバリキャップ(可変容量ダイオード)です。H無しは TCXOですので発振ユニットのシールドケース内にある小容量トリマーコンデンサー(TC)を調整する構造です。SC-7203型もTCXOですので校正はTCを調整します。
VCXO(電圧制御水晶発振器 Voltage Controlled Crystal Oscillator)型の周波数微調整はコントロール端子の直流電圧で調整します。TCは存在しませんん。バリキャップが搭載されています。

特に取引証明に使用する場合の業務用用途では 機器の校正証明書が必要となります。証明書には有効期限が記載されており 車の車検のように継続してその測定器は定期的に校正作業を実施し連続して取引証明とされる機器も多々あります。しかし製造後大まかには15年以上経過した場合メーカー校正を断られる場合も発生します。又校正費用も馬鹿にはなりません新品を購入するほうが安価な場合も発生します。
身近ではスーパーなどに設置しされている通称 はかり てある計量計などは検定シールと使用できる期限が明記されています。公正な取引をするためには必要な事柄です。特定計量器は計量法に基づいた検定を受ける必要があります。
電子機器の測定器では アマチュア無線で問題視されている新スプリアス規制ではスペクトルアナライザー通称スペアナでの測定結果の添付が必要ですね。それと校正されてから一年以内である校正証明書のコピーも必要です。
測定器の校正を実施しない場合測定値の信頼性が損なわれてしまいます。校正と調整とは意味が異なります。経年変化などで誤差が発生した場合元の特性に戻すことを修理・調整です。校正とは校正基準器との照合作業です。測定機器を長年使用する場合、病院のカルテのような記録を保存することを推奨します。

自己校正とは自己満足の校正です。

あくまでも自己満足の自己校正作業です。又測定機器の動作原理・内部構造の理解もできないと校正作業はできません。今回GPSユニットを使って正確な10MHzを得ることができました。安心して道楽・趣味の継続ができます。アマチュア的な簡易校正としては市販品の VCTCXO 12.8MHz ±1ppm の単体発振器を校正基準器として採用される方も存在します。(参考価格 600円akiba)

補足 
今回オシロスコープによる観測波形を掲載しましたが 他に横河製 DL-2410B 300MHz のデジタルオシロも所有していますが 市場ではアナログCRT式オシロスコープは中古品ですが安価に購入できると思います。その意味もありブラウン管式オシロで波形観測掲載しました。ただ中古品を購入した場合 測定プローブはほとんど付属品として添付されていません。場合によっては新品のプローブのほうが本体よりも高価格の場合も発生します。
撮影に使用したオシロスコープ Kikusui COS-5020型20MHz 2現象 本体のみで数千円の出費であったと記憶しています。もちろん自己校正してあります。製造後25年ほど経過したオシロです。このように実動しています。

10MHz 校正基準器  (10MHz Calibration Standard) の工作

GPSユニット・OCXCユニット搭載の10MHz校正基準器

10MHz OCXO出力を増幅後の出力波形 5.0V/p-p 0.2μsec
OCXCユニットの出力は正弦波10MHz/0.2V/rms 仕様であり 他の機器に接続するには出力電圧が小さく 20dB の増幅器を設計し搭載しました。
増幅後の出力波形 5.0V/p-p 0.2μsec × 10倍 MAG
使用しているユニバーサルカウンターは SC-7203 型で後部に外部10MHz入力端子がとりつれられており搭載されている基準信号は TCXO で動作しています。今回工作した校正基準器のほうが正確な周波数を発振できる構造であるため外部基準信号として活用するために設計し筐体内に内蔵しました。
今回採用したOCXOはスイス オシロクオーツ(OSCILLOQUARTZ)製  OCXO 8661A型です。出力波形は正弦波 10MHz -0.5dBm 仕様です。
OCXOには出力波形が正弦波・矩形波があり用途に応じて選択する必要があります。今回採用したユニットの動作電圧はDC:12V です。

左図はオシロスコープ観測波形

20MHz・CRT式オシロスコープでの出力信号観測です。

この正弦波は 5V/p-p ですので実効値電圧に変換すると 1.58V/rms の信号といえます。0.2Vの電圧が2.0Vになった場合増幅度は +20dBと言うことができます。
2.0V/rms = 5.66V/p-p
何故このような増幅回路が必要かですが デジタルロジック回路で動作している機器の場合信号の受け渡し電圧があります。大まかには LOW レベルとして 0~0.8Vまでです。2V以上5Vまでが HIGH としてロジック回路が動作します。となると正弦波 0.2V/rms の信号では HIGH,LOW の判別ができません。20dB増幅回路により 1.58V/rms の信号であれば矩形波としてロジック回路に接続することができるわけです。俗にいうTTL (Transistor-Transistor-Logic)レベルでの信号の受け渡しとなるわけです。
この 10MHz 正弦波信号をユニバーサルカウンター外部10MHz 端子に接続することにより外部クロックとして機器は動作できるわけです。

20dB増幅ユニット基板
設計した増幅回路は電流帰還バイアス方で GPSユニットの下に搭載した基板に組み立てました。今回10MHzの共振回路は当初通常のトランス結合として設計しましたが思うような出力となりません。最終的な出力方式はトロイダル・コアに0.3φの通称エナメル線をツイスト巻き構造です。トロイダル・コアはジャンクボックスからの流用品でありコアの材質までは不明です。コイルのインダクタンスは 10数μH 程度でした。
使用したトランジスターは手持ち品 2SC383 です。A級増幅回路であり利得を大きくすることも可能ですが歪率も増加するため出力インピーダンスも低くし20dB強の利得に抑えました。

使用部品
トランジスター 2SC383
トロイダル・コア 14φ×8φ×6
0.3φ PEW線  1m
SVR 1KΩ(B) サーメット・トリマー
RA 5.6KΩ  1/4W カーボン
RB 1.5KΩ 1/4W カーボン
RE 910Ω 1/4W 金属皮膜
Cc 0.001μF /50V セラミック
Ce 0. 022μF/50V セラミック
電源フィルターコンデンサー 220μF/16WV 電解・0.022μF/50V セラミック

電源としてはOCXOユニット DC:12V で動作できるため 増幅ユニット動作電源もそのまま流用しています。OCXO出力は 0.2V/50Ω 仕様であり増幅後の出力レベル調整用として1KΩサーメットトリマー型を使用し 出力電圧波形は12V/p-p までの正弦波波形を可変できる構造としました。通常トランジスターの負荷抵抗RLの代わりにツイスト巻きのトロイダル・コイルは各24tとなっており 1対1の高周波トランスで電磁結合となり出力側コイルからBNCコネクターに配線し出力とします。
通常のA級増幅回路であればコレクター抵抗(RL)に発生した信号をカップリングコンデンサーで結合して出力としますが今回は高周波トランス結合として工作しました。通常の回路であれば回路電流によりRLでの電圧降下が発生しますが トランス結合とした場合 ほぼ電源電圧まで正弦波がフルスイングできる回路構成です。負荷抵抗としてコイルが 15μH のインダクタンスであれば 10MHzでの XL 値は 942Ω となります。
この回路でのエミッター電流は20mA程度であり トランジスターの熱損失は220mWです。2SC383のコレクター損失は300mWですのでまだ余裕がります。このような電力を伴う増幅回路の場合アイドリング電流も多く流さなければ出力インピーダンスも下がらず 電力利得は期待できません。OCXO出力電力は0.2V/50Ω の規格ですので 出力レベルは 0dBm 弱です。
無線機器で扱う高周波の電力値 0dBm とは 50Ω負荷 1mWの電力 を接続した場合の高周波電圧は 0.2236V/rms です。あえて rms(実効値) を記載しましたが通常は V(ボルト) のみで rms は記載しません。OCXO の出力は正確には -0.5dBm の出力ですが ほぼ 0dBm の出力です。10MHz,0dBm と表現できます。

完成した 10MHz 校正基準器 (10MHz Calibration Standard)
使用している SC-7203型機はTCXO 10MHz基準発振器を搭載していますが 運用に際しもう一桁精度の取れる方策として今回作成した校正基準器をユニバーサルカウンターの外部クロック端子に OCXOからの10MHzを接続すれば 10MHz±0.2Hz以内の精度とすることが可能となりました。
校正はGPSから得られた正確な 10MHz 信号をユニバーサルカウンターに入力し 10MHz校正基準器に内蔵しているOCXOの周波数を調整すれば SC-7203の校正作業が簡単にできます。現在内蔵の10MHzTCXOは使用していません。
このような使い方とするため 10MHz校正基準器には 10MHzの出力信号源として GPSからとOCXOからと2系統出力としてあるわけです。

今回作成した校正基準器の精度は標準器として使用可能と判明しました。リファレンス器です。10MHz の外部接続端子は測定機器及び無線設備でも取り付けられている機器も存在しますね。ただ接続機器には適正レベルが存在しますのでレベル合わせ作業は発生します。今回搭載した OCXO は単体出力レベルは正弦波 ほぼ 0dBm(0.2V/rms) です。そこで20dBの増幅器を取り付けました。使用目的により OCXO では出力波形に正弦波・矩形波がありますので選択する必要があります。今回正弦波を選択した理由に 出力レベル 1.58V/rms に設定した理由は正弦波の peak to peak  の波高値は 4.47V でデジタル信号入力とした場合デジタル回路では矩形波に変換され動作不良とはなりません。現実にユニバーサルカウンター SC-7203 の外部クロック端子に接続して精度の良好な測定器として動作しています。

自己校正用 校正基準器の紹介

YEW TYPE 2014 class 0.5 AC Ampere-Volt      TYPE 2012 class 0.5 DC Ampere-Volt
YEW TYPE 2041 class 0.5 AC,DC-Watts
YEW TYPE 2786 Decade Resistance Box 0.1Ω~111,111Ω
DELICA MODEL 1100 IMPEDANCE BRIDGE
上記測定機器は精密級の測定機類です。常用する測定器類の自己校正用として活用している物です。横河製の測定器は精密級であり class 0.5の表示があります。0.5級の性能です。アナログの針式目盛により測定結果を得るものですが 製造後数十年以上経過しておりメーカー校正は受け付けてもらえない測定機器です。横河ではおおむね15年以上となれば買い替えを推奨されます。50年近くなる測定器も含まれますが簡単な構造であり経年変化による誤差も見受けられません。電気を扱うに測定における基準となる測定機器であり今だに愛用しています。近年の ADVANTEST 据え置き型デジタルマルチメーター R6551 も導入していますが この機器も製造後15年以上となり メーカー校正は受け付けてもらえません。この機種も自己校正をしますが道楽の自己校正結果では大きな狂いは発生していませんでした。
使用している測定機器類は個人的な使用であり 自己満足の上での自己校正作業に上記測定機器を校正基準器として常用測定器類を校正使用します。もちろん狂いがある場合修理・調整は自前作業です。常用測定器類とはアナログ回路計(テスター)・ハンディーデジタルマルチメーター・デジタルクランプメーター・オシロスコープ・ミリバルなどです。この中でも一番使用頻度の高い測定器は複数台所有している YEW3201アナログ回路計です。製造後50年ほど経過していますが定期的に自己校正を実施しています。誤差は商品出荷時のスペック以内に収まっています。校正時には各レンジでの校正結果と誤差を明記した校正表を裏面に張り付けてあります。この回路計は JIS マークを取得しており CLASS AA の表記があります。

クイズ

上記収集した自己校正用精密測定機器類ですが この中で一番高額な測定器は何でしょうか ?       答は巻末 !!


常用回路計 左 YEW3201    右 自衛隊仕様品 JMU-Q1(YEW製)

YEWの測定機器についてはいまだにカタログに記載されていますので 詳細についてはYEWホームページより確認願います。

今回作成した10MHz校正基準器工作の結果 周波数の校正ができるようになりました。


余談
私たちが通常使っている物事の中には基準単位がありますね。肉を買うのに何グラムか ? 物事の取り引きにおいては基準となる単位が存在します。この肉は1ポンドといわれても日本人にはピンときません。このように取引証明用には必ず基本単位が存在します。日本ではMKS基準単位が用いられています。メートル・キログラム・秒(sec)の頭文字で表されています。長さ・重さ・時間 ですね。
今回工作した自家用工作物はGPS衛星による10MHz校正基準器の工作でした。これは時間単位での話です。10MHzとは1秒間に波が10000000回振動していることをいいます。一秒間に一千万回の振動です。f(周波数) = 1 /T(周期・1サイクル分の時間) ですね。この公式は一秒間に何回振動しているかの公式です。時間の標準とは何でしょうか。
元々時間の定義として地球の公転周期による時間単位が秒として定義されています。現在の基準器はセシウム原子時計です。セシウム原子が放つマイクロ波が一秒間に9192631770回振動した波が得られます。これを私たちがよく使う単位に直すと 9.192631770GHzと言えます。約9.1GHzのマイクロ波です。このセシウム原子時計より精度としては1000倍の精度である光格子時計が東京大学の香取教授により開発され 時間の定義改定の機運が高まっています。160億年でも誤差1秒です。このストロンチウムなどの原子を使った光格子時計が時間の基本と採用されるのに時間はかからないと思います。

時間軸である電波の周波数を正確に測定するためには測定機器の定期的な校正作業が必要な理由です。

クイズの答 YEW TYPE 2786 Decade Resistance Box 0.1Ω~111,111Ω  税別 207,000円 他の測定器は約100,000円前後します。
今回紹介したYEW製測定機器類は現行品です。新品を購入することも可能です。アナログ回路計 YEW3201型は数年前に廃版となっています。同じ仕様品の回路計はは半世紀ほどの期間 製造・販売されていました。複数台所有している YEW3201型です。一番古い機種は1969年とメーター目盛板内に記載されています。いまだに問題もなく実働します。世の中はデジタル全盛の時代と思いますが道楽の中ではいまだにアナログも使いやすく捨てがたいと思います。いまだに車はスピードメーターとタコメーターは大きな円形でデジタル数字ではなくアナログ指針タイプですが内部はデジタル回路で動作しています。


by musenan sennin